3. 教職員に対する心肺蘇生法教育(第2報)

はじめに:昨年の本学会において病院職員への心肺蘇生法教育の必要性について報告したが, その後9ヵ月経過し, その間に実施した活動とそれによる教職員の心肺蘇生に対する意識と知識がどう変化したかについてアンケート調査したので報告する. 対象と方法:当院に勤務する全教職員を対象として, 心肺蘇生に対する関心の程度と, どのように対処できるかを無記名でアンケート調査した. 結果:393名から回答を得た. 心肺蘇生法受講者はアンケート調査施行時に231人であった. 心肺蘇生法を知っていると回答したのは前回82%から89%へと増加していた. ひとりで心肺蘇生ができると回答したのは30%から38%に増加した...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2006, Vol.121 (2), p.84-85
Hauptverfasser: 小山照幸, 武田聡, 笠井督雄, 太田眞, 吉田和彦, 山崎高司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに:昨年の本学会において病院職員への心肺蘇生法教育の必要性について報告したが, その後9ヵ月経過し, その間に実施した活動とそれによる教職員の心肺蘇生に対する意識と知識がどう変化したかについてアンケート調査したので報告する. 対象と方法:当院に勤務する全教職員を対象として, 心肺蘇生に対する関心の程度と, どのように対処できるかを無記名でアンケート調査した. 結果:393名から回答を得た. 心肺蘇生法受講者はアンケート調査施行時に231人であった. 心肺蘇生法を知っていると回答したのは前回82%から89%へと増加していた. ひとりで心肺蘇生ができると回答したのは30%から38%に増加した. 心肺蘇生法の講習を受講したことがあるのは47%から62%に増加した. 85%が講習会に参加したいと回答した. ACLSということばを知っていたのは37%から80%に増加した. 「AEDを知っている」と回答したのは22%から92%へと増加した. 考察:当院ではBLS+AED講習を毎月開催している. また大学としてACLS基礎コースも毎月開催してきた. 心肺蘇生法を知らないと回答した多くは看護補助員, 臨床検査技師, 栄養士であり, それらの人たちには部署ごとに個別に講習する必要があると思われた. 心肺蘇生をひとりで施行できると考えている人は38%で, わずかに増加したものの依然と少なく, これを増加させることが今後の課題である. ACLS, AEDということばの認知度は大幅に増加した. AEDについては, 使用方法を知らない職員がまだ半数おり, 上記の部署にて重点的にその説明を行う必要がある. 結語:心肺蘇生についての関心および知識がわずかに増加していたが, まだすべての教職員に行きわたっていなかった. 今後は関心の低い職員の多い部署を中心に講習会を開催するなど, 医療に身近な病院職員が正確な心肺蘇生法を習得し, その知識を維持していく必要がある.
ISSN:0375-9172