冠動脈造影検査, 冠動脈バイパス術後にBlue Toe症候群を呈した1例
I. 緒言 Blue Toe Syndromeは動脈内腔より動脈硬化粥腫が飛散して中小血管を閉塞することで生じる微小塞栓症で, 心血管造影後の約0.08%の頻度と極めて稀な症候群である1)2), 今回, 著者らは冠動脈造影検査, 冠動脈バイパス術後にBlue Toe Syndromeを呈した貴重な1例を経験したので報告する. II. 症例 症例:71歳, 男性 主訴:両足尖の疼痛と冷感 既往歴:高血圧症, 糖尿病, 高脂血症, 胃潰瘍 家族歴:特記すべき事項なし 現病歴:平成13年10月3日不安定狭心症の診断で冠動脈造影検査(右大腿動脈アプローチ)を施行した. 結果, 右冠動脈segment1...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2005-11, Vol.120 (6), p.263-266 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | I. 緒言 Blue Toe Syndromeは動脈内腔より動脈硬化粥腫が飛散して中小血管を閉塞することで生じる微小塞栓症で, 心血管造影後の約0.08%の頻度と極めて稀な症候群である1)2), 今回, 著者らは冠動脈造影検査, 冠動脈バイパス術後にBlue Toe Syndromeを呈した貴重な1例を経験したので報告する. II. 症例 症例:71歳, 男性 主訴:両足尖の疼痛と冷感 既往歴:高血圧症, 糖尿病, 高脂血症, 胃潰瘍 家族歴:特記すべき事項なし 現病歴:平成13年10月3日不安定狭心症の診断で冠動脈造影検査(右大腿動脈アプローチ)を施行した. 結果, 右冠動脈segment1 99%, segment3 100%, 左冠動脈segment6 75%, segment7 90%, segment12 75%(AHA/segment分類に準ずる)と三枝病変を認め, 10月11日当院心臓外科で冠動脈バイパス術を施行した(左内胸動脈-左冠動脈前下行枝, 大伏在静脈-右冠動脈後下行枝). 術後約15日目頃より両足尖に疼痛を伴う青紫色に変化した. 徐々に同症状が悪化してきたため近医受診し, 動脈閉塞症と診断され11月27日よりPGE1製剤の点滴治療を行われるも改善しなかった. このため, 12月4日当院に転院となった. 入院時身体所見:身長170cm, 体重76.5kg, 血圧164/80mmHg, 脈拍110/分整, 意識清明, 心雑音なし, 腹部血管雑音聴取せず, 両足尖および足底にチアノーゼ網状斑と圧痛を認める(Fig. 1:pale of bilateral toe with pain, blue toe syndrome)入院時検査所見をTable1に示した. 血液検査では白血球数が好酸球優位に増加10,900/μl(好酸球数763/μl), Ccr29.2ml/minと腎機能障害を認めた. 胸部単純X線写真では, 肺野に異常を認めずCTR57%と心拡大を認めた. 両側腸骨動脈ドップラーエコーでは明らかな血栓は認めなかった. また. Ankle Pressure Index右0.90, 左0.83で重症閉塞性動脈硬化症(ASO)を疑わせる所見はなかった. |
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ISSN: | 0375-9172 |