冠動脈造影(CAG)・経皮的冠動脈形成術(PCI)における経橈骨動脈アプローチ(transradial approach;TRA)の有用性
I. 背景と目的 高齢者の虚血性心疾患患者の増加に伴い, その検査および治療において, より低侵襲であることが切望される. その点において, 今日の医療技術および医療機器の進歩は低侵襲であることを可能にした. 冠動脈造影(CAG)経皮的冠血管形成術(PCI)においての, 経橈骨動脈アプローチ(transradial approach;TRA)もその一端を担っている. 1989年にCampesauによるTRAでのCAGが報告され1), さらに1993年にKiemeneijによる経橈骨動脈冠動脈インターベンション(transradial intervention;TRI)が報告され2), その合併...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2005-11, Vol.120 (6), p.245-249 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | I. 背景と目的 高齢者の虚血性心疾患患者の増加に伴い, その検査および治療において, より低侵襲であることが切望される. その点において, 今日の医療技術および医療機器の進歩は低侵襲であることを可能にした. 冠動脈造影(CAG)経皮的冠血管形成術(PCI)においての, 経橈骨動脈アプローチ(transradial approach;TRA)もその一端を担っている. 1989年にCampesauによるTRAでのCAGが報告され1), さらに1993年にKiemeneijによる経橈骨動脈冠動脈インターベンション(transradial intervention;TRI)が報告され2), その合併症の少なさ, 検査後の患者医療従事者の負担の軽減が明らかとなり, TRAが大きく普及した. そこで, 本学関連病院である富士市立中央病院におけるTRAの変遷, 現況, および今後の有用性について検討した. II. 対象 富士市立中央病院は, 心臓カテーテル医療スタッフ3名で, 年間約500例のCAG, 約200例のPCIを施行している日本循環器学会の教育関連施設である. 当院における, 待機的CAGPCI症例のapproach部位を調査し, TRAの占める割合, TRAを選択しない場合にはその理由, および経年的変化について検討した. 当院では, 原則的に待機症例に関しては, 主治医がその病状, 検査目的, 治療法, 過去の検査歴などから総合的に判断し, 十分なインフォームドコンセントのうえ, approach部位を決定している. また緊急症例に関しては, 原則経大腿動脈アプローチ(trans femoral approach;TFA)を選択しているため, 緊急症例は除外した. 2000年1月から2002年11月までに施行されたCAG1,384例, PC1600例のうち, 待機的CAG1,156例, PCI411例を対象とした. |
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ISSN: | 0375-9172 |