1. 青戸病院における炎症性腸疾患(IBD)チーム医療の取り組み
炎症性腸疾患(IBD)は若年者に好発する原因不明の難治性再発性腸疾患であり, 近年増加傾向にある. IBDの治療は患者の生活全般に関わり長期に及ぶため, 治療効果の向上には各部門の協力によるチーム医療が有用とされている. 今回我々は当院におけるIBDチーム医療導入の過程と内容を紹介し, その有用性について検討を加えた. 当院ではIBD患者数の増加に伴い, 2001年よりIBD専門外来を開始し徐々にチーム医療の活動を広げてきた. チームの構成メンバーは医師, 看護師, 栄養士, ソーシャルワーカー, 薬剤師, 内視鏡部, 血液浄化部, 医事課であり, 2002年より定期的なカンファレンスおよび症...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2005, Vol.120 (3), p.121-122 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 炎症性腸疾患(IBD)は若年者に好発する原因不明の難治性再発性腸疾患であり, 近年増加傾向にある. IBDの治療は患者の生活全般に関わり長期に及ぶため, 治療効果の向上には各部門の協力によるチーム医療が有用とされている. 今回我々は当院におけるIBDチーム医療導入の過程と内容を紹介し, その有用性について検討を加えた. 当院ではIBD患者数の増加に伴い, 2001年よりIBD専門外来を開始し徐々にチーム医療の活動を広げてきた. チームの構成メンバーは医師, 看護師, 栄養士, ソーシャルワーカー, 薬剤師, 内視鏡部, 血液浄化部, 医事課であり, 2002年より定期的なカンファレンスおよび症例検討会を行うようになった. また2002年より専任栄養士による栄養指導, 2003年からはソーシャルワーカー相談を開始した. 現在は徐々に件数が増加し, 内容の専門性も高まってきている. また2004年に患者間の交流を深め治療意欲を向上させる目的で患者会を開催したところ, 70-80%の参加者から「良かった」という回答を得ることができた. 患者会終了後, チーム構成員26名にアンケート調査を行った. その結果, チーム医療に参加して「IBDについての知識が向上した」「患者のニーズが把握できるようになった」「情報交換や連携強化に有用であった」などの回答が得られた. チーム医療はIBD患者における医療サービスの向上のために有用であると考えられた. 今後は各部門の専門性を生かすような目標のもとで, さらにチームを成長させるように努めていく必要があると思われた. |
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ISSN: | 0375-9172 |