62. エダラボン投与下における経頭蓋超音波脳血栓溶解療法の安全性評価
目的:急性脳塞栓症などに適用可能とされる組織プラスミノーゲンアクチベータ(t-PA)の血栓溶解効率は超音波照射によって増強される. 一方フリーラジカルスカベンジャー"Edaravone"は脳梗塞患者の神経保護薬として使用頻度が高まっている. このような臨床状況を考慮して, Edaravone投与下における超音波照射法の安全性をin vitro実験で評価した. 対象と方法:対象としてマウス脳器官培養スライスを用いた. 実験には培養槽(37℃, 20%O2, 5%CO2, 75%N2)から直接実験に用いる正常モデル群と, 培養槽から37℃, 5%O2, 5%CO2, 9%ON2...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2004, Vol.119 (6), p.410-410 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:急性脳塞栓症などに適用可能とされる組織プラスミノーゲンアクチベータ(t-PA)の血栓溶解効率は超音波照射によって増強される. 一方フリーラジカルスカベンジャー"Edaravone"は脳梗塞患者の神経保護薬として使用頻度が高まっている. このような臨床状況を考慮して, Edaravone投与下における超音波照射法の安全性をin vitro実験で評価した. 対象と方法:対象としてマウス脳器官培養スライスを用いた. 実験には培養槽(37℃, 20%O2, 5%CO2, 75%N2)から直接実験に用いる正常モデル群と, 培養槽から37℃, 5%O2, 5%CO2, 9%ON2のインキュベータに移して1時間インキュベートした後に実験を行う脳虚血モデル群を設けた. この両群各々においてt-PA, Edaravone複合投与群, 超音波照射単独群, t-PA, Edaravone複合投与と超音波照射併用群および対照群の4群をn数は4で設定した. 加えてdethコントロールとして, 2%グルタルアルデヒドで処理したマウス脳スライスを用いた. t-PA, Edaravoneの投与タイミングは超音波照射の直前とした. 超音波は周波数490kHz, 音圧0.72W/cm2の正弦連続波とした. 照射方法はインターミッテント照射とし, 2分間照射30秒休止を4回繰り返した後5分間休止する, 計15分間のセットを4セット行って合計1時間とした. t-PAは5,000U/ml, Edaravoneは6μMで使用した. 1μMプロピディウムイオダイド(PI)染色により, 7日間にわたって蛍光顕微鏡像を得た. 細胞死の評価はPIの赤色蛍光強度をヒストグラムで算出して行った. 結果:脳虚血モデル, 正常モデル両群において, 4群すべてについて, 適用超音波のマウス脳スライスに対する傷害性は認められなかった. 結論:本治療用超音波照射条件は脳虚血状態に対する脳神経保護薬Edaravone投与治療を障害しないこと, 有意な副作用のないことが示唆された. |
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ISSN: | 0375-9172 |