8. 精神生理性不眠症患者に対する認知行動療法の試み

目的:当院睡眠専門外来において施行された精神生理性不眠症(以下PPI)患者に対する認知行動療法の効果を検討する. 対象:ICSD(睡眠障害国際分類)にて精神生理性不眠症と診断された外来患者7名. M/F=4/3, 平均年齢59歳[71-33] 方法:1. 認知行動療法(以下CBT)内容:担当医師が, A:認知療法, B:刺激コントロール法, C:睡眠衛生指導, についての約2時間の講義を行い, その後4週間の外来にてCBTの内容の確認を行い, 活動計の結果を提示した. 2. 測定項目:CBT施行直前, 施行直後の各7日間, 以下の項目を測定した. 1)睡眠日誌睡眠調査票:睡眠覚醒リズム睡眠内容...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2004, Vol.119 (6), p.378-379
Hauptverfasser: 佐藤幹, 山寺亘, 小曽根基裕, 穎原禎人, 古賀聖名子, 石黒大輔, 惣滑谷和孝, 伊藤洋, 中山和彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:当院睡眠専門外来において施行された精神生理性不眠症(以下PPI)患者に対する認知行動療法の効果を検討する. 対象:ICSD(睡眠障害国際分類)にて精神生理性不眠症と診断された外来患者7名. M/F=4/3, 平均年齢59歳[71-33] 方法:1. 認知行動療法(以下CBT)内容:担当医師が, A:認知療法, B:刺激コントロール法, C:睡眠衛生指導, についての約2時間の講義を行い, その後4週間の外来にてCBTの内容の確認を行い, 活動計の結果を提示した. 2. 測定項目:CBT施行直前, 施行直後の各7日間, 以下の項目を測定した. 1)睡眠日誌睡眠調査票:睡眠覚醒リズム睡眠内容の主観的評価, 2)活動計:睡眠覚醒リズムの客観的評価, 3)Dysfunctional Beliefs and Attitudes about Sleep scale(以下DBAS):睡眠に関する知識と考え方の評価(3)は施行直前, 直後に各1回測定). 結果:CBT施行直前と比較し施行直後で, 以下の点において有意な変化を認めた. 1)睡眠調査票において, 主観的睡眠深度, 覚醒時の身体および気分の状態, 日中の気分, 身体の状態の改善, 調査票総得点 2)DBASにおいて睡眠を制御できないことへの不安, 不眠の影響に対する不安の軽減 3)睡眠日誌において入眠潜時が減少(62.8±52.4→23.3±21分) 4)活動計において入眠潜時が減少(27.4±37.2→7.3±7.7分), 中途覚醒時間(30.2±27.5→16.2±14.2分), 夜間体動量が減少(12.5±6.5→9.2±5.0counts/分), 睡眠効率が改善(84.2±9.5→92.1±4.9%) 5)睡眠日誌と活動計の共通項目の解離に関して, 入眠時刻(43.6±54.8→16.9±14.9分), 入眠潜時(39.9±44.8→19.7±15分), 総睡眠時間のずれ幅の減少(129.1±99.5→69.9±55分)が認められた. まとめ:PPI患者にCBTを施行し, 1. 睡眠に対する自己評価, 2. 主観的睡眠内容, 3. 客観的睡眠内容, 4. 主観的睡眠内容と客観的睡眠内容の解離, において改善を認めた.
ISSN:0375-9172