A2. 帝王切開後に発症した血栓性血小板減少性紫斑病の1例

症例は22歳, 未経妊未経産. 40週0日にて前医へ陣発入院. 分娩経過中に児心音低下にて緊急帝王切開を施行した. 手術直後は経過良好であったが, 術後3日目に歩行時にふらつきあり, 採血にて血小板の異常低下を認めたため当科へ救急搬送された. 来院時Hb4.2, Plt12,000, T-Bil2.0, D-bil0.5, と溶血性貧血ならびに著明な血小板減少を認めた. 緊急CT上は著明な脾腫を認めるのみで, ほかに異常出血所見は認めなかった. 以上より血栓性血小板紫斑病を疑い, 血液内科と連携しただちに血漿交換療法を施行したところ, 症状は急速に快方へ向かった. 血栓性血小板減少性紫斑病は妊...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2004, Vol.119 (5), p.364-365
Hauptverfasser: 安西範晃, 飯田泰志, 松本隆万, 中島邦宣, 高田全, 篠崎英雄, 鈴木永純, 小林重光, 神谷直樹, 安田允
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は22歳, 未経妊未経産. 40週0日にて前医へ陣発入院. 分娩経過中に児心音低下にて緊急帝王切開を施行した. 手術直後は経過良好であったが, 術後3日目に歩行時にふらつきあり, 採血にて血小板の異常低下を認めたため当科へ救急搬送された. 来院時Hb4.2, Plt12,000, T-Bil2.0, D-bil0.5, と溶血性貧血ならびに著明な血小板減少を認めた. 緊急CT上は著明な脾腫を認めるのみで, ほかに異常出血所見は認めなかった. 以上より血栓性血小板紫斑病を疑い, 血液内科と連携しただちに血漿交換療法を施行したところ, 症状は急速に快方へ向かった. 血栓性血小板減少性紫斑病は妊娠, 出産, 膠原病, 感染などを契機として発症するが, 救命のためには早期診断ならびに他科との連携の下に積極的な治療を行う必要がある. 今回我々は症例に若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:0375-9172