4. 在宅での看取りに関する検討
目的:在宅での看取りを希望された方が, 必ずしも在宅生活を続けられない現状があるため, 当院の訪問診療例について検討し, 反省材料を提示したい. 方法:平成12年8月1日から平成16年1月31日までの間に, 当院で訪問診療を行った89名のうち, 在宅での看取りを希望された16名の方々についてretrospectiveに検討した. なお, 訪問診療を継続している方は検討から除外した. 結果:在宅での看取りを希望された16名のうち, 入院された方(以下, 入院例)が6名, 在宅で他界された方(以下, 在宅例)が10名であった. 年齢は在宅例83±15歳, 入院例81±13歳であった. 在宅例のおも...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2004, Vol.119 (5), p.347-347 |
---|---|
Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 目的:在宅での看取りを希望された方が, 必ずしも在宅生活を続けられない現状があるため, 当院の訪問診療例について検討し, 反省材料を提示したい. 方法:平成12年8月1日から平成16年1月31日までの間に, 当院で訪問診療を行った89名のうち, 在宅での看取りを希望された16名の方々についてretrospectiveに検討した. なお, 訪問診療を継続している方は検討から除外した. 結果:在宅での看取りを希望された16名のうち, 入院された方(以下, 入院例)が6名, 在宅で他界された方(以下, 在宅例)が10名であった. 年齢は在宅例83±15歳, 入院例81±13歳であった. 在宅例のおもな疾患は, 末期悪性腫瘍5名, 老衰3名, 喘息1名, 神経筋疾患1名, 入院例では末期悪性腫瘍3名, 老衰1名, 脳血管障害後遺症1名, 慢性呼吸不全1名であった. 痴呆症を有する方は在宅例7名, 入院例3名であった. 入院例5名, 在宅例2名に合併症の併発がみられた. 状態が悪化したのち, 入院あるいは在宅で他界されるまでの期間は, 入院例64±31日, 在宅例26日±36日であった. 状態悪化後, 在宅例2名, 入院例4名に呼吸困難を伴った. 同居している実質的介護者が2名以上いる家庭が, 入院例で1件, 在宅例で4件であった. 入院例において, 在宅療養困難となった直接理由は, 介護者の介護疲労5例, 呼吸困難による本人の希望1例であった. 結語:状態が悪化してからの療養期間の長期化, 呼吸困難を伴う状況, 新たな合併症の併発, 介護人数の不足等により介護者が介護疲労をきたし, やむなく入院となるケースが多かった. 在宅での看取りを実現するためには, 療養者のみならず, 介護者の負担を軽減するための対策と, 原疾患以外の合併症を併発させない努力が求められる. |
---|---|
ISSN: | 0375-9172 |