12. マルチスライスCTにて左前下行枝近位部病変と左回旋枝起始異常を指摘できた1例

症例は72歳男性. 平成14年10月26日, 労作時の胸部圧迫感にて当院受診. 心電図上完全右脚ブロックとV1-5で陰性T波を認め, 心筋逸脱酵素はすべて陰性であったが狭心症の疑いにて入院. 11月2日にマルチスライスCT(SOMATOM Volume Zoom, シーメンス社製)を施行し, 左前下行枝近位部の血管壁に石灰化を伴わないプラークの存在と, 右バルサルバ洞より左回旋枝起始異常を認めた. 11月5日に心臓カテーテル検査を施行し, 左回旋枝起始異常と左前下行枝#6に99%の狭窄を認めた. 引き続き左前下行枝#6に対して経皮的冠動脈形成術を施行(S660ステント留置), 良好な拡張が得ら...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2004, Vol.119 (2), p.195-195
Hauptverfasser: 栗須崇, 宮田秀一, 太田正人, 梶原秀俊, 陳勁一, 瀧川和俊, 桑田雅雄, 妹尾篤史, 吉川誠, 谷口正幸, 谷口郁夫, 望月正武
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は72歳男性. 平成14年10月26日, 労作時の胸部圧迫感にて当院受診. 心電図上完全右脚ブロックとV1-5で陰性T波を認め, 心筋逸脱酵素はすべて陰性であったが狭心症の疑いにて入院. 11月2日にマルチスライスCT(SOMATOM Volume Zoom, シーメンス社製)を施行し, 左前下行枝近位部の血管壁に石灰化を伴わないプラークの存在と, 右バルサルバ洞より左回旋枝起始異常を認めた. 11月5日に心臓カテーテル検査を施行し, 左回旋枝起始異常と左前下行枝#6に99%の狭窄を認めた. 引き続き左前下行枝#6に対して経皮的冠動脈形成術を施行(S660ステント留置), 良好な拡張が得られ経過良好にて退院となった. 今後, マルチスライスCTは冠動脈起始異常の描出および冠動脈病変の非侵襲的な検査として有効な手段になりうると考えられた.
ISSN:0375-9172