11. 当院における呼吸管理の安全対策とリスク回避
背景および目的:近年医療機器の発達は目覚しく, 患者様に福音をもたらす反面で機器関連トラブルによる医療事故を招く危険性も含んでいる. この様な情勢の中, 昨年3月に厚生労働省通達医薬発第248号「生命維持装置である人工呼吸器に関する医療事故防止対策について」が発令された. 具体的対応策として, 1. 生体情報モニターの併用および用手人工呼吸器の常備 2. 適切な設定と操作等を促すための対策 3. 保守点検の適切な実施を促すための対策以上3項目である. これを受け, 当院では臨床工学部を中心に人工呼吸器に対する安全対策の充実からリスク回避について対応策を検討, 実施した. 現状:生体情報モニター...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 2003, Vol.118 (6), p.538-538 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景および目的:近年医療機器の発達は目覚しく, 患者様に福音をもたらす反面で機器関連トラブルによる医療事故を招く危険性も含んでいる. この様な情勢の中, 昨年3月に厚生労働省通達医薬発第248号「生命維持装置である人工呼吸器に関する医療事故防止対策について」が発令された. 具体的対応策として, 1. 生体情報モニターの併用および用手人工呼吸器の常備 2. 適切な設定と操作等を促すための対策 3. 保守点検の適切な実施を促すための対策以上3項目である. これを受け, 当院では臨床工学部を中心に人工呼吸器に対する安全対策の充実からリスク回避について対応策を検討, 実施した. 現状:生体情報モニターの台数が不足しており, 人工呼吸器台数に対し, 11台が不足であった. また, 人工呼吸器使用前点検は, 部内の点検マニュアルに従い実施していたが, 特に記録保存は行っていなかった. 人工呼吸器作動中は, 医師, 看護師, 臨床工学技士の3者が独自の点検, 確認を実施しており, 3者間の視点にバラツキがあり意思疎通が欠けている. 対応:人工呼吸器使用患者様の安全性の向上を目的に対応策を検討, 実施した. 1. ジャクソンリース回路の装備 2. 生体情報モニターの併用 3. 携帯電話使用禁止シートの掲示 4. 人工呼吸器使用前点検記録簿の作成および運用 5. 人工呼吸器設定指示確認票の作成および運用 6. 人工呼吸器および, 加温加湿器トラブル対応シートの装備 7. 簡易取り扱い説明書の装備 結語:病院で発生する医療事故が世間に注目される現在, 我々臨床工学技士は, 発達する医療機器に関するリスクマネジメントについて, その中心的部門として病院に期待され, 信頼される活躍に能力を発揮しなければならないと考える. |
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ISSN: | 0375-9172 |