13. 輸液ポンプの流量誤差に関する検討

目的:臨床工学部に報告されたテルモ社製輸液ポンプ(以下輸液ポンプ)の動作異常を分析するとともに, 不適切使用状態における流量について検討を行った. 方法:過去1年間における輸液ポンプの動作異常を原因別に集計. ポンプテスターを用い不適切装着(回路を通常状態20cmに対し1cm引っ張った状態0.5cm緩ませた状態), 不適切使用(1週間ポンプしごき部分を変化させない連続使用), また高粘性輸液の影響(50%ブドウ糖を使用)を再現し流量20ml/hの条件で測定した. 結果:動作異常件数は33件あり機器的6件, 人為的22件, 原因不明5件. 人為的動作異常の内訳は, 装着ミス10件, 気泡センサー...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2003, Vol.118 (4), p.315-316
Hauptverfasser: 安孫子進, 遠藤智久, 天童大介, 菅原洋一, 角田祐志, 勝田岳彦, 中村元彦, 坂井春男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:臨床工学部に報告されたテルモ社製輸液ポンプ(以下輸液ポンプ)の動作異常を分析するとともに, 不適切使用状態における流量について検討を行った. 方法:過去1年間における輸液ポンプの動作異常を原因別に集計. ポンプテスターを用い不適切装着(回路を通常状態20cmに対し1cm引っ張った状態0.5cm緩ませた状態), 不適切使用(1週間ポンプしごき部分を変化させない連続使用), また高粘性輸液の影響(50%ブドウ糖を使用)を再現し流量20ml/hの条件で測定した. 結果:動作異常件数は33件あり機器的6件, 人為的22件, 原因不明5件. 人為的動作異常の内訳は, 装着ミス10件, 気泡センサーの汚れ5件, 操作ミス4件, その他3件であった. 不適切装着では正常状態20.6±0.4ml/h, 引っ張り状態19.3±0.7ml/h, 緩み状態21.5±0.5ml/h, 各々危険率は0.0020.05で有意差を認めた. 不適切使用としての連続運転では, 36時間経過後に5%を超える変動を認めた. 50%ブドウ糖を使用した流量測定では有意差は認めなかった. 考察:機器的動作異常の削減を目指し我々は, 4機関統一の院内定期点検を6ヵ月間隔で施行するとともに, 作動点検, 病棟ラウンドも行っているが, 今後さらに内容および点検回数の検討も必要と考えている. 人為的動作異常では5%を超える流量誤差を認めている, これを防止するためには適切な装着と1日1回ポンプしごき部分の位置移動の必要がある. 機器および人為的動作異常削減をめざし, 安全かつ精度の高い輸液ポンプを供給するとともに適切な使用方法の指導を行っていきたい. なお, これは輸液ポンプのみならずすべての医療機器についていえることである. まとめ:安全かつ精度の高い医療機器の供給および, 適切な使用方法に関する講習会の強化を図りたい.
ISSN:0375-9172