先天性片腎欠損・重複子宮・重複腟・一側腟閉鎖の1例
子宮奇形の頻度は正常女性の0.13~3.3%に認められると言われているが, 子宮奇形, 特に非対称性子宮奇形に泌尿器系の先天奇形が高率に合併し重複奇形を呈することはよく知られている. 今回我々は, 右腎欠損を合併し, 重複子宮, 重複腟の一側膣閉鎖で留血腫を形成した症例を経験したので, これに若干の文献的考察を加え, 報告する. 症例は13歳. 初経11歳, 月経周期不整. 性行為経験なし. 以前より右腎欠損を指摘されていた. また, 初経時より, 月経時の腹痛のため鎮痛薬を服用していた. 月経時より続く下腹部痛, 発熱を主訴に2001年9月25日近医受診. CTにて双角子宮, 子宮右側の腫瘤...
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Format: | Tagungsbericht |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 子宮奇形の頻度は正常女性の0.13~3.3%に認められると言われているが, 子宮奇形, 特に非対称性子宮奇形に泌尿器系の先天奇形が高率に合併し重複奇形を呈することはよく知られている. 今回我々は, 右腎欠損を合併し, 重複子宮, 重複腟の一側膣閉鎖で留血腫を形成した症例を経験したので, これに若干の文献的考察を加え, 報告する. 症例は13歳. 初経11歳, 月経周期不整. 性行為経験なし. 以前より右腎欠損を指摘されていた. また, 初経時より, 月経時の腹痛のため鎮痛薬を服用していた. 月経時より続く下腹部痛, 発熱を主訴に2001年9月25日近医受診. CTにて双角子宮, 子宮右側の腫瘤認め, 卵巣嚢腫茎捻転の診断にて, 同日当院へ紹介となった. 現在までのエピソードより, 先天性片腎欠損, 重複子宮, 重複腟, 一側腟閉鎖もしくはWunderlich症候群を疑い, 翌日MRI施行. 子宮は重複子宮であり, 子宮頚部右側の腫瘤は右側子宮頚管より連続していた. また, DIPにて右腎は描出されなかった. 9月27日, 経腟的に子宮頚部右側腫瘤壁を切除し, 切開排膿術を施行. 術後, 腹痛と発熱は徐々に軽快し, 術後8日目に退院となった. 切除した子宮頚部右側腫瘤壁は病理診断では子宮頚部組織を認めず, 先天性片腎欠損, 重複子宮, 重複腟, 一側腟閉鎖と診断した. 退院時, 内診では左側腟と右側腟は1指以上の交通を認めた. 退院後, 外来にて経過観察中である. |
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ISSN: | 0375-9172 |