腹部臓器の新生物に対するMRIガイド下凍結療法

目的:凍結療法は組織の一部を凍結, 壊死させる治療法である. 今回われわれはオープンタイプMRIガイド下に, 腎細胞癌, 子宮筋腫, 転移性肝癌に対し凍結療法を行ったのでその安全性と有用性についての初期経験を報告する. なお本治療法は医療用具申請のための臨床試験として, 学内治験委員会の承認を得て行われている. 対象および方法:対象は腎細胞癌7例, 子宮筋腫7例, 転移性肝癌4例である. 術前のCTおよびMRIを参照し, 凍結範囲を決定する. MRIガイド下に2mmあるいは3mmの凍結用プローブを目標点まで穿刺する. プローブを固着後, MRIにより凍結状況を観察しながら凍結と自然解凍を2回繰...

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Bibliographische Detailangaben
Hauptverfasser: 最上拓児, 土肥美智子, 中田典生, 内山眞幸, 原田潤太, 古田希, 岸本幸一, 小林重光, 安田允, 遠山洋一, 柏木秀幸, 小林正之, 稲田由美, 押切優美子, 川上厚子
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:凍結療法は組織の一部を凍結, 壊死させる治療法である. 今回われわれはオープンタイプMRIガイド下に, 腎細胞癌, 子宮筋腫, 転移性肝癌に対し凍結療法を行ったのでその安全性と有用性についての初期経験を報告する. なお本治療法は医療用具申請のための臨床試験として, 学内治験委員会の承認を得て行われている. 対象および方法:対象は腎細胞癌7例, 子宮筋腫7例, 転移性肝癌4例である. 術前のCTおよびMRIを参照し, 凍結範囲を決定する. MRIガイド下に2mmあるいは3mmの凍結用プローブを目標点まで穿刺する. プローブを固着後, MRIにより凍結状況を観察しながら凍結と自然解凍を2回繰り返す. 凍結温度は-190℃を原則とし, 時間は5分以上10分程度を目安とする. 凍結範囲が計画された範囲に達したのを確認し, 強制解凍後プローブを抜去する. 結果:経過観察のCTにて腎細胞癌, 転移性肝癌では腫瘍の造影効果の消失が認められ, 腫瘍壊死が得られた. 子宮筋腫も縮小効果が得られ, 臨床症状の改善もみられた. 腎細胞癌の1例で腎周囲血腫の形成がみられたが, 保存的治療にて軽快した. 他には問題となるような合併症は認めていない. 結語:MRIガイド下に経皮的治療が可能な凍結療法は低侵襲的で有効な治療法であり, 今後臨床的有用性が期待されると考えられる.
ISSN:0375-9172