頭蓋底髄膜腫摘出術における電磁場エネルギーを利用したEMFの有用性‐EMFの現状と将来

はじめに:頭蓋底, 脳深部の腫瘍の手術は, 狭い視野での出血のコントロールを行い, 周囲の組織, 血管に損傷を加えることなく, 安全に摘出することが要求される. 演者らは電磁場エネルギーを応用したElectromagnetic field system(EMF), Tissue Vaporizerの有用性を報告してきたが, さらに同じ出力器によるCutting Bipolarを開発し, 臨床応用している. 出血のコントロールが改善され, より迅速, 安全な腫瘍摘出が可能となった. 目的:今回頭蓋底髄膜腫や脳深部腫瘍におけるVaporizer, Cutting Bipolar併用の有用性を評価す...

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Hauptverfasser: 橋本卓雄, 中崎道浩, 寺尾亨, 沼本R智彦, 山口由太郎
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:はじめに:頭蓋底, 脳深部の腫瘍の手術は, 狭い視野での出血のコントロールを行い, 周囲の組織, 血管に損傷を加えることなく, 安全に摘出することが要求される. 演者らは電磁場エネルギーを応用したElectromagnetic field system(EMF), Tissue Vaporizerの有用性を報告してきたが, さらに同じ出力器によるCutting Bipolarを開発し, 臨床応用している. 出血のコントロールが改善され, より迅速, 安全な腫瘍摘出が可能となった. 目的:今回頭蓋底髄膜腫や脳深部腫瘍におけるVaporizer, Cutting Bipolar併用の有用性を評価する. さらに内視鏡手術への応用を検討した. 方法および結果:EMFは13.56MHzのRF generatorで, Probe先端に電磁場が生じ, 組織に接触するとpinpointの高熱が瞬時に生じる. この熱エネルギーで組織を蒸散, 切開する装置である. Vaporizerは周囲組織への熱の影響はレーザーに比較して少なく, 組織の炭化が少なく, pinpointで凝固, 切除, 蒸散ができる. さらにEMF Bipolar Forcepsは, 凝固, 切開が可能で, 特に切開機能は, 従来のCutting Bipolarに比較して優れている. 現在まで, EMFによる手術は, 髄膜腫65例, 血管周皮腫2例, 血管芽腫瘍4例, 頭蓋咽頭腫3例, 神経鞘腫17例, 神経膠腫32例など157例の脳腫瘍摘出に使用してきた. EMF VaporizerはCUSA, Yag Laser, 従来のCutting Bipolarに比較して優れているが, EMF VaporizerとCutting Bipolarの併用は, 出血のコントロール, 迅速, 安全な手術を支援する. 特に視野が狭い出血性かつ硬い頭蓋底髄膜腫で, 安全な手術の遂行, 手術時間の短縮が可能であった. また内視鏡用のprobeを用い脳室内腫瘍摘出が可能になっている. 結語:EMF Vaporizerは切除, 凝固, 蒸散の機能を持つ理想的な手術機器であり, さらにEMF Cutting Bipolarの併用は, 頭蓋底腫瘍手術に極めて有用であった. また内視鏡手術への応用が期待される.
ISSN:0375-9172