HCVトランスジェニックマウス及び野生型マウスに対するプラスミドDNAによる免疫反応誘導の差異

目的:HCVトランスジェニックマウスおよび野生型マウスに対して, プラスミドDNAを接種することにより誘導される細胞性, 液性免疫反応を比較したので報告する. 方法:HCV全長構造タンパクをアルブミンプロモーター下に遺伝子導入したHCVトランスジェニックマウス(以下Tg)ならびに野生型(以下WT)に対して, CMVプロモーター下にCoreあるいは, Core, E1, E2を発現するプラスミドDNA(P7020CoreあるいはP7020St)を3週間隔で計4回筋肉内投与した. 最終投与3週間後の血清について, CoreおよびE1E2抗体を測定した. また免疫終了後, 脾臓よりリンパ球を分離し,...

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1. Verfasser: 里井重仁
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:HCVトランスジェニックマウスおよび野生型マウスに対して, プラスミドDNAを接種することにより誘導される細胞性, 液性免疫反応を比較したので報告する. 方法:HCV全長構造タンパクをアルブミンプロモーター下に遺伝子導入したHCVトランスジェニックマウス(以下Tg)ならびに野生型(以下WT)に対して, CMVプロモーター下にCoreあるいは, Core, E1, E2を発現するプラスミドDNA(P7020CoreあるいはP7020St)を3週間隔で計4回筋肉内投与した. 最終投与3週間後の血清について, CoreおよびE1E2抗体を測定した. また免疫終了後, 脾臓よりリンパ球を分離し, HCV構造タンパク特異的なProliferative AssayおよびCTL Assayを行った. 成績:1. Tg, WTとも, P7020CoreおよびP7020St投与により, CoreあるいはE1E2に対する抗体産生, ならびにProliferationを示した. 2. WTについては, P7020CoreがCore特異的なCTLを誘導したのに対して, P7020StはE2に特異的なCTLのみを誘導した. 3. Tgでは, P7020CoreがCore特異的なCTLを誘導する一方, P7020Stを免疫したマウスにはいずれのHCV構造蛋白に対するCTLも誘導されなかった. 4. いずれのTgマウス肝にも病理変化は認めなかった. 結語:HCVプラスミドDNAはその構造により, 誘導されるCTL epitopeが異なる. このHCVトランスジェニックマウスにCTLは誘導されたが, 肝に炎症細胞浸潤は引き起こさなかったことから, さらに強力な免疫誘導が必要と思われた.
ISSN:0375-9172