血糖上昇指数(Glycemic Index)からみた麦飯の効用
目的:糖尿病をはじめとする生活習慣に基因する疾病を予防したり, その進行を抑える食事のあり方で, 血糖上昇指数(Glycemic Index)に注目が集まってきている. 同じ量の糖質を含む食品であっても, 摂取後の血糖上昇は食品によって異なることが知られているが, いまだに明らかではない. 今回糖質を主に含む麦飯, 米飯, パスタの3食品についての, 血糖上昇指数について検討した. 検査食:麦飯食は押し麦30gと白米67g, 米飯食は白米97g, パスタはスパゲッティ104gとし(いずれも糖質75g), 副食は鯵塩焼き, 奴豆腐, おひたし, 味噌汁と同じメニューにした. 実施内容:被験者は健...
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Zusammenfassung: | 目的:糖尿病をはじめとする生活習慣に基因する疾病を予防したり, その進行を抑える食事のあり方で, 血糖上昇指数(Glycemic Index)に注目が集まってきている. 同じ量の糖質を含む食品であっても, 摂取後の血糖上昇は食品によって異なることが知られているが, いまだに明らかではない. 今回糖質を主に含む麦飯, 米飯, パスタの3食品についての, 血糖上昇指数について検討した. 検査食:麦飯食は押し麦30gと白米67g, 米飯食は白米97g, パスタはスパゲッティ104gとし(いずれも糖質75g), 副食は鯵塩焼き, 奴豆腐, おひたし, 味噌汁と同じメニューにした. 実施内容:被験者は健常者6名と糖尿病患者5名の合計11名とした. 実施方法は, 被験者を3群に分けて, 週1回3日間に分けて交差試験を行った. 実施2日前は, アルコール, 清涼飲料水, 和洋菓子は禁じ, 過激な運動はしないように指示した. 実験前日の夕食は, ほぼ同じメニューを摂取させ21時までに食べ終わるよう指示した. 検査当日は, 朝8時に空腹状態で集合し, 実験が終了するまで座位安静とした. 検査(採血)は, 空腹時, 食後30分, 60分, 120分, 180分の合計5回行った. 結果:健常者での血糖上昇指数は白米ご飯を100とした場合, 麦飯は16.5, スパゲッティは-23.6であった. 健常者でのインスリン上昇指数は白米ご飯を100とした場合, 麦飯は65.2, スパゲッティは51.9であった. 糖尿病患者での血糖上昇指数は白米ご飯を100とした場合, 麦飯は83.6, スパゲッティは82.5であった. 糖尿病患者でのインスリン上昇指数は白米ご飯を100とした場合, 麦飯は153.1, スパゲッティは131.5であった. まとめ:麦飯は白米ご飯に比べて血糖値の上昇を抑える効果があり糖尿病に主食として積極的にすすめられる. また, 健常者の麦飯は白米ご飯に比べてインスリン分泌に負担が少ないことから, 生活習慣病の予防の面でも広く普及させていきたい. |
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ISSN: | 0375-9172 |