栄養指導のみで血糖コントロール状態が著明に改善した糖尿病患者の臨床像

はじめに:近年の急速な糖尿病患者の増加は, 環境因子によるインスリン抵抗性の増大によって導かれたものも多く, 糖尿病は, 生活習慣病の最も代表的なものと考えられている. これに対する治療法としては, 食事療法や運動療法が重要であるが, いずれも患者の強い意思を必要とするため, なかなか効果が上がらないこともしばしばである. 特に肥満を持つ2型糖尿病患者への食事指導には, しばしば難渋する. これらの患者は, 肉類や油を使った料理を好み, 女性では, 甘いものの間食習慣, 男性ではアルコールの過飲が問題となる. 今回, 当院外来を平成11年10月1日から平成12年9月30日までに受診された患者様...

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Hauptverfasser: 倉橋薫, 溝江美代子, 柳井一男, 谷口幹太, 染谷泰寿, 片山隆司, 横山淳一
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:はじめに:近年の急速な糖尿病患者の増加は, 環境因子によるインスリン抵抗性の増大によって導かれたものも多く, 糖尿病は, 生活習慣病の最も代表的なものと考えられている. これに対する治療法としては, 食事療法や運動療法が重要であるが, いずれも患者の強い意思を必要とするため, なかなか効果が上がらないこともしばしばである. 特に肥満を持つ2型糖尿病患者への食事指導には, しばしば難渋する. これらの患者は, 肉類や油を使った料理を好み, 女性では, 甘いものの間食習慣, 男性ではアルコールの過飲が問題となる. 今回, 当院外来を平成11年10月1日から平成12年9月30日までに受診された患者様の中で経口糖尿病治療薬及びインスリンを使用せず, 血糖を改善することのできた症例の特徴について調べてみたので報告する. 対象, 方法:当院通院中の糖尿病患者で当院にて栄養指導を実施した患者を対象とした. 結果:栄養指導後, 1~2ヵ月の食生活調査によれば, 間食および清涼飲料水, アルコールについては, 全ての症例で毎日摂取するという習慣は改善されていた. また, 運動療法を加えるなどの改善がみられた. 以上より, ヘモグロビンA1cについてはすべての症例で低下を認め, 前値11±0.7%に対し, 2ヵ月後には, 平均ヘモグロビンA1c8.0±0.9%, 3ヵ月後には, 6.8±0.8%, 6ヵ月後には, 6.0±0.4%と有意に低下した. 結論:以上の事から, 生活習慣の是正のみで, 血糖コントロールの改善した糖尿病患者の特徴としては, *2型糖尿病患者でBMI25以上の肥満を呈している者が7例中5例を占めた *糖尿病と告知されてからの期間が短い *今までの過食や飲酒習慣, 食行動の問題点を認め, その習慣を改善しようという意欲がある *今まで, 運動習慣がなく, その習慣を是正できる者が特徴として考えられた. 以上のことから今後も生活指導を徹底して行っていきたい.
ISSN:0375-9172