急性前骨髄球性白血病に対するG-CSFプライミング療法の治療成績
目的:急性前骨髄球性白血病(APL)に対し, all trans retinoic acid(ATRA)に化学療法を併用し緩解導入後, 地固め療法にG-CSFをプライミングし, dormant状態の白血病細胞をcell cycleに入れ, 化学療法への感受性を高める. その効果をRT-PCR法(検出感度10-5/copy)にてMRDをモニターし, 過不足なく化学療法を行うことを目的とした. 対象および結果:APLの23症例のうち, 評価可能な22症例を対象とした. 年齢19-73歳(m=45歳), 男女比10:12, 初発時白血球数600-43,800/μl. ATRA45mg/m2で治療開始...
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Zusammenfassung: | 目的:急性前骨髄球性白血病(APL)に対し, all trans retinoic acid(ATRA)に化学療法を併用し緩解導入後, 地固め療法にG-CSFをプライミングし, dormant状態の白血病細胞をcell cycleに入れ, 化学療法への感受性を高める. その効果をRT-PCR法(検出感度10-5/copy)にてMRDをモニターし, 過不足なく化学療法を行うことを目的とした. 対象および結果:APLの23症例のうち, 評価可能な22症例を対象とした. 年齢19-73歳(m=45歳), 男女比10:12, 初発時白血球数600-43,800/μl. ATRA45mg/m2で治療開始. 使用期間は40-53日で, 白血球数controlのためATRA開始後, 1~7日後にDNR+ara-Cを短期間併用した. 早期死亡2例を除く20例では, DICはATRA開始後3-12(平均6.8)日で改善した. 寛解導入療法で20例が血液学的にCRとなったが, PML-RAR-αmRNA再構成バンドは20例中20例に認められた. JALSG87地固めプロトコールにG-CSF75μgを化学療法前日よりプライミングし地固め療法を施行した. PML-RAR-α再構成バンドは31.8%が1コース目終了後に, 22.7%が2コース終了後に, 9.1%は3コース目終了後にも遺残していたが, MRD消失後さらに地固め療法を2コース追加し, 維持療法は行わなかった. 最長生存期間は9年で生存率は90.8%, 無病生存率(DFS)は86.8%と良好な治療成績が得られた. また重篤な副作用は認められず, 全コース化学療法を施行しえた. 考察結語:APLに対するATRA療法により, 治療成績は飛躍的に向上したが, なお通常の地固め療法を施行しても20%前後の再発が認められている. 本治療法では早期にMRDが消失しており, 再発率も低く, 長期生存が期待される. またMRDをモニターとすることにより, 従来の決められたプロトコールにより行われる化学療法とは異なり, 各個人の治療必要量に応じて過不足なく化学療法が行えるため, 2次発癌のリスクも低く抑えられるものと考えられる. |
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ISSN: | 0375-9172 |