音響学的冠動脈狭窄診断システムに関する臨床的検討‐狭窄枝と記録部位との関係

I. 緒言 虚血性心疾患は本邦における三大成人病の1つに挙げられ, 生活習慣の欧米化に伴い, その数はますます増加すると予想される. これらの状況を考えると, 冠動脈病変の早期発見は今後, 重要な課題と考えられる. 現在, 虚血性心疾患の中で, 非侵襲的な方法として各種心電図, 超音波検査, 核医学的検査などがあり, 虚血性心疾患患者の有用な診断法と考えられているが, いずれも冠動脈狭窄を軽度の段階で検出することは困難である. 一方侵襲的な検査として冠動脈造影が現在広く行われているが, これには入院を必要とし費用の面からも冠動脈疾患のスクリーニング検査としては適さない. 著者らはすでに音響学的...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2001-05, Vol.116 (3), p.207-212
Hauptverfasser: 陳勁一, 後藤豊, 野木村健, 本田陽一, 立石修
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:I. 緒言 虚血性心疾患は本邦における三大成人病の1つに挙げられ, 生活習慣の欧米化に伴い, その数はますます増加すると予想される. これらの状況を考えると, 冠動脈病変の早期発見は今後, 重要な課題と考えられる. 現在, 虚血性心疾患の中で, 非侵襲的な方法として各種心電図, 超音波検査, 核医学的検査などがあり, 虚血性心疾患患者の有用な診断法と考えられているが, いずれも冠動脈狭窄を軽度の段階で検出することは困難である. 一方侵襲的な検査として冠動脈造影が現在広く行われているが, これには入院を必要とし費用の面からも冠動脈疾患のスクリーニング検査としては適さない. 著者らはすでに音響学的に拡張期心音を解析することにより左冠動脈主幹部または前下降枝近位部の冠動脈狭窄例と正常例を非侵襲的に鑑別可能であることを報告した1). しかし, 左冠動脈回旋枝や右冠動脈など他枝における狭窄や記録部位の影響に関しては不明であった. 今回, 冠動脈狭窄音検出システムを用いて検討した136例を対象に臨床計測を行い, 狭窄部位によるスペクトルパターンの差異および記録部位の影響について検討を行った.
ISSN:0375-9172