19. 下顎骨病変MDCTにおける画像診断教育について

検出器を体軸方向に複数列装備するマルチディテクターCT(以後MDCT)が臨床で用いられている. 本装置は, より薄いスライス厚で広い範囲が高速撮像でき, 多様な画像を再構成できるため, 病変検出率が増加するといわれている. しかし下顎骨病変に対する画像診断の信頼性および画像診断教育の必要性は示されていない. 目的 : MDCT「SOMATOM PLUS4 Volume Zoom」(シーメンス社)を用いた下顎骨病変の画像診断の信頼性と診断教育の必要性について診断テストを用いて評価する. 方法 : 下顎骨病変12症例における再構成画像(スライス厚0.5~1.0mm)上での下顎管上壁および頬舌側皮質...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2000, Vol.115 (6), p.629-630
Hauptverfasser: 関口奈穂子, 杉崎正志, 林勝彦, 伊介昭弘, 田辺晴康, 戸崎光宏, 福田国彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:検出器を体軸方向に複数列装備するマルチディテクターCT(以後MDCT)が臨床で用いられている. 本装置は, より薄いスライス厚で広い範囲が高速撮像でき, 多様な画像を再構成できるため, 病変検出率が増加するといわれている. しかし下顎骨病変に対する画像診断の信頼性および画像診断教育の必要性は示されていない. 目的 : MDCT「SOMATOM PLUS4 Volume Zoom」(シーメンス社)を用いた下顎骨病変の画像診断の信頼性と診断教育の必要性について診断テストを用いて評価する. 方法 : 下顎骨病変12症例における再構成画像(スライス厚0.5~1.0mm)上での下顎管上壁および頬舌側皮質骨吸収消失の有無について, 手術所見をゴールドスタンダードとして診断テストを行った. 観察者は歯科医師2名, 放射線科医師1名, 計3名を選択し, 歯科医師に対しては2回に分けて読像させた. すなわち1回目はMDCTの読像について現在までの経験のみで行わせ, 2回目は実施直前に, MDCTの画像診断教育を他のMDCT画像を用いて施行した. 評価はすべて"有", "無"の2値データとし, ゴールドスタンダードに対する診断テストを2×2分割表より求めた. 結果 : 読像教育後, 下顎管上壁の吸収については陽性的中度88%, 陰性的中度85%, 感度94%, 特異度75%, 偽陰性率6%, 偽陽性率25%, 精度87%, 有効度1.65であり, 頬舌側皮質骨の吸収については陽性的中度75%, 陰性的中度87%, 感度75%, 特異度87%, 偽陰性率25%, 偽陽性率12%, 精度83%, 有効度1.62であった. 教育前の結果と比較し, 頬舌側皮質骨吸収において感度のみ変化が見られなかったが, その他の診断テスト結果は上昇した. 結論 : 下顎骨病変MDCTの画像診断信頼性は, 教育後に上昇することが示された.
ISSN:0375-9172