A2. 胆道拡張を来した小児急性膵炎の1例

患者は既往, 家族歴に異常を認めない4歳女児. 入院前日に腹痛, 嘔吐を認め, 当科を受診, 入院時血液検査にて血清AMYの上昇, 腹部CT, エコーにて膵の腫脹, 腫大を認め, 急性膵炎と診断され, 当科入院となった. 入院後は絶食, メシル酸ガベルサート, ウリナスタチン, ファモチジン, 抗生剤にて保存的に加療. 一時腹部症状の軽快をみたが, 入院2週間後にミラクリッドを中止したところ, その2日後より膵炎の再燃によると思われる腹痛, 嘔吐が出現し, 血清AMYの上昇に加え, 肝機能障害を認めた. ウリナスタチン再開にて一時軽快したが, ウリナスタチン継続中に2度目の再燃がみられ, GO...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2000, Vol.115 (5), p.603-604
Hauptverfasser: 吉川秀樹, 小林正久, 河崎早紀子, 上條誠, 斎藤義弘, 和田靖之, 津田隆, 藤沢康司, 久保政勝, 中村純太, 遠山洋一, 平井勝也, 増田良臣
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:患者は既往, 家族歴に異常を認めない4歳女児. 入院前日に腹痛, 嘔吐を認め, 当科を受診, 入院時血液検査にて血清AMYの上昇, 腹部CT, エコーにて膵の腫脹, 腫大を認め, 急性膵炎と診断され, 当科入院となった. 入院後は絶食, メシル酸ガベルサート, ウリナスタチン, ファモチジン, 抗生剤にて保存的に加療. 一時腹部症状の軽快をみたが, 入院2週間後にミラクリッドを中止したところ, その2日後より膵炎の再燃によると思われる腹痛, 嘔吐が出現し, 血清AMYの上昇に加え, 肝機能障害を認めた. ウリナスタチン再開にて一時軽快したが, ウリナスタチン継続中に2度目の再燃がみられ, GOT, GPTは1,000近くまで上昇した. Bilの上昇は認めなかったが, 腹部CT, エコーにて胆嚢の腫大, 総胆管, 肝内胆管の拡張を認め, 経皮経肝胆嚢ドレナージを施行, 同時に施行した胆管造影で結石様の陰影欠損がみられたため, 逆行性膵胆管造影, 内視鏡的乳頭切除術を施行:e総胆管内, 肝内胆管内の3つの胆泥を摘除した. 胆塊は脆く, 体外に摘出はできなかった. 胆管膵管合流異常は認めなかった. 術後経過は良好で, 経口摂取を速やかに再開, 腹部症状の悪化や血液検査上の異常を認めず, 術後22日で退院となった. 急性膵炎の原因, また総胆管内の胆泥の成因は不明であったが, 小児での急性膵炎, 後天的胆道拡張性病変はきわめて稀であり, 若干の文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0375-9172