筋弛緩薬の基礎的, 臨床的研究-各種骨格筋に対する筋弛緩薬の感受性の研究

「I. 緒言」 筋弛緩薬は骨格筋の神経筋接合部に作用する. しかしそのアセチルコリンレセプタのブロックの程度は骨格筋の種類によって異なる. 筋弛緩薬に対する感受性の違いは1. 筋肉の種類によるもの 2. 病的原因によるものに大別される. 今回の報告ではこの問題について言及する. この感受性の違いが臨床的に問題となるのは, respiratory sparing effect とよばれる現象である. 呼吸筋が筋弛緩薬に対して感受性が低いとの現象であり, 早くから麻酔医の間で指摘されていた. しかし今回の報告ではrespiratory sparing effect 1)のみではなく, 麻酔からの覚...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2000-05, Vol.115 (3), p.321-331
1. Verfasser: 天木嘉清
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」 筋弛緩薬は骨格筋の神経筋接合部に作用する. しかしそのアセチルコリンレセプタのブロックの程度は骨格筋の種類によって異なる. 筋弛緩薬に対する感受性の違いは1. 筋肉の種類によるもの 2. 病的原因によるものに大別される. 今回の報告ではこの問題について言及する. この感受性の違いが臨床的に問題となるのは, respiratory sparing effect とよばれる現象である. 呼吸筋が筋弛緩薬に対して感受性が低いとの現象であり, 早くから麻酔医の間で指摘されていた. しかし今回の報告ではrespiratory sparing effect 1)のみではなく, 麻酔からの覚醒時に関与する骨格筋のいくつかについて筋弛緩薬に対する感受性の違い, その原因, 臨床的な意味などについて述べてみたい. 「II. 研究方法と結果」四肢筋は臨床的に神経筋伝達モニターに測定筋として用いられる. 通常臨床において尺骨神経刺激に対する拇指内転筋の反応をmechanical twitch responses(MTR), accerographなどの方法で記録する.
ISSN:0375-9172