B8. B型肝炎ワクチン接種者における回帰直線を用いた追加接種時期の検討

目的:B型肝炎(HB)ウイルスワクチン接種により獲得されたHBs抗体価は, 時間とともに低下する. 平成7年度に当院附属看護学院学生に施行した集団接種クール終了後の抗体価の推移を定量法で測定し, 回帰直線の作成を試み追加接種の時期の検討を行った. 方法:酵母由来の組換え沈降HBワクチンを用い, 各回10μgずつのHBs抗原蛋白を0, 1, 6カ月に筋肉内に接種した. 接種完了1カ月後にHBs抗体価を測定し得た抗体陽性者は68名であり, そのうち2年目(接種完了17カ月後)に抗体価を測定し得た43名および, この際追加接種を施行せず3年目(接種完了29カ月後)にも抗体価を測定し得た16名を対象と...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 2000, Vol.115 (1), p.116-117
Hauptverfasser: 春日葉子, 内藤嘉彦, 鈴木憲治, 大久保至, 新谷稔, 藤瀬清隆, 小林正之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:B型肝炎(HB)ウイルスワクチン接種により獲得されたHBs抗体価は, 時間とともに低下する. 平成7年度に当院附属看護学院学生に施行した集団接種クール終了後の抗体価の推移を定量法で測定し, 回帰直線の作成を試み追加接種の時期の検討を行った. 方法:酵母由来の組換え沈降HBワクチンを用い, 各回10μgずつのHBs抗原蛋白を0, 1, 6カ月に筋肉内に接種した. 接種完了1カ月後にHBs抗体価を測定し得た抗体陽性者は68名であり, そのうち2年目(接種完了17カ月後)に抗体価を測定し得た43名および, この際追加接種を施行せず3年目(接種完了29カ月後)にも抗体価を測定し得た16名を対象とした. HBs抗体価は国際単位で定量可能なマイクロパーティクルEIA法にて測定し, 回帰直線は最小二重法にて作成した. 追加接種は第43回日本感染症学会東日本地方会総会発表時の検討結果に基づき100mIU/ml未満に低下した年度に施行することとした. 結果:HBワクチン接種完了1カ月後のHBs抗体陽転者68名の抗体価は1,940.7±2,115mIU/mlであった. 抗体価100mIU/ml以上の者は65名で, そのうち2年目に抗体価100mIU/ml未満に低下し, 追加接種を必要とした者は43名中24名(55.8%)であった. 前述の16名より抗体価をlog表示にした片対数グラフにて回帰直線を作成し, f(x)を抗体価, xを月とする計算式f(x-1)=1.901E+3×exp{-1.063E-1×(x-1)}が得られ, 100mIU/mlに低下する時期の算出が可能になった. 結論:回帰直線の作成により追加接種時期の推定が可能となり, 再検査の省力化が期待される.
ISSN:0375-9172