B-33. アンジオテンシン変換酵素(ACE)遺伝子多型とステント植え込み後の遠隔期成績との関連
目的:最近, ACE遺伝子多型DD型は, coronary intervention後のintimal hyperplasiaを促進するという報告が散見されるが, 今回我々は, ACE遺伝子多型DD型が種々のステント植え込み後の遠隔期成績に関与するか否かを検討した. 方法:対象は各種ステント(Palmaz-Schatz, GR-1, II, Wiktor, Cordis, Multi link, gfx)を植え込み, 3~6カ月後に確認造影を試行した52例76病変(男性35例, 女性17例, 平均年令65.5歳)である. 各症例においてACE遺伝子多型を測定し, DD群とnon DD(ID,...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 1998, Vol.113 (6), p.515-515 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:最近, ACE遺伝子多型DD型は, coronary intervention後のintimal hyperplasiaを促進するという報告が散見されるが, 今回我々は, ACE遺伝子多型DD型が種々のステント植え込み後の遠隔期成績に関与するか否かを検討した. 方法:対象は各種ステント(Palmaz-Schatz, GR-1, II, Wiktor, Cordis, Multi link, gfx)を植え込み, 3~6カ月後に確認造影を試行した52例76病変(男性35例, 女性17例, 平均年令65.5歳)である. 各症例においてACE遺伝子多型を測定し, DD群とnon DD(ID, II)群において, ステント留置前後と遠隔期冠動脈所見を定量的冠動脈造影(quantitative coronary angiography:QCA)にて比較的検討した. さらに使用したステントの円周方向への支持力(radial strength)により, high radial strength群:H群(Palmaz-Schatz, Cordis, Multi link, gfx, n=37)とlow radial strength群:L群(GR-I, II, Wiktor, n=39)の2群に分け, 各々についてACE遺伝子多型との関与について検討した. 結果:DD群は6例16病変, non DD群はID型28例, II型18例, 計46例60病変であった. DD群とnon DD群, およびH群とL群において年齢, 性別, 冠危険因子, 病変形態において差は認めなかった. 全体のDD群とnon DD群において, ステント植え込み直後から遠隔期までの血管径の減少分(late loss)および遠隔期狭窄率(%diameter stenosis:%DS)に有意差は認めなかったが, H群においてDD群(n=6)とnon DD群(n=31)を比較すると, late lossは2.49±0.57mm vs. 0.85±1.13mmで, 遠隔期%DSは60.0±16.1% vs. 18.4±31.5%でともにDD群で有意に大であった(p<0.05). 結論:radial strengthが高いステント(H群)は, 遠隔期においてvessel remodelingによる再狭窄を抑制するとされているが, H群で再狭窄をきたした例は, ACE遺伝子多型DD型が高率であることから, intimal hyperplasiaの発生にACE遺伝子多型DD型が深く関与していると考えられた. |
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ISSN: | 0375-9172 |