5-1. Lp(a)の急性反応性相蛋白としての可能性について
炎症マーカーとしてCRPが広く利用されているが, 血清アミロイドA(SAA)も鋭敏であることから注目されている. 一方, LP(a)も動脈硬化に対する独立した危険因子であるが, 急性炎症時には変動することから, APRの可能性を示唆する報告があるが詳細は不明である. そこで, 我々はLP(a)の急性相反応蛋白としての可能性についてCRP, SAA, LP(a)の動態を比較検討し若干の知見を得たので報告する. 対象:中央検査部に提出された検体でCRPが15mg/dl以上で, かつ1カ月以上追跡可能であった患者67名と心筋梗塞患者7名を対象とした. 測定方法:CRP, SAA, LP(a)はラテッ...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 1998, Vol.113 (5), p.491-492 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 炎症マーカーとしてCRPが広く利用されているが, 血清アミロイドA(SAA)も鋭敏であることから注目されている. 一方, LP(a)も動脈硬化に対する独立した危険因子であるが, 急性炎症時には変動することから, APRの可能性を示唆する報告があるが詳細は不明である. そこで, 我々はLP(a)の急性相反応蛋白としての可能性についてCRP, SAA, LP(a)の動態を比較検討し若干の知見を得たので報告する. 対象:中央検査部に提出された検体でCRPが15mg/dl以上で, かつ1カ月以上追跡可能であった患者67名と心筋梗塞患者7名を対象とした. 測定方法:CRP, SAA, LP(a)はラテックス凝集法を用い, 自動分析機日立7170で測定した. 結果:1. CRPとSAA濃度は有意な相関関係(y=64.0x+36.9, r=0.728)があり, その動態もほぼ同様であった. また, SAAとLP(a)とは濃度, 動態ともに相関関係は認めなかった. 2. 心筋梗塞ではSAA, CRP, LP(a)の順に上昇した. その後, 時間の経過とともにいずれも元の値に戻った. 3. LP(a)の動態とLP(a)Phenotypeとの関係は認められなかった. まとめ:LP(a)は急性炎症時には最高4倍度増加した. 心筋梗塞時にはSAA, CRP, LP(a)の順に増減し, LP(a)の動態はフエノタイプとは関係しなかった. LP(a)は通常状態では遺伝的に規程されているが, 急性炎症時にはCRP, SAAと同様に変動することからAPRとしての役割も示唆された. しかし, 感度, 特異性ともに小さく炎症マーカーとしての臨床的応用は難しいと思われた. |
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ISSN: | 0375-9172 |