2-1. 多彩な異常を合併し, 抗甲状腺療法により汎血球減少などの改善を認めた甲状腺機能亢進症の1例

症例:45歳, 女性. 前頸部の腫大, 顔面, 下腿の浮腫を主訴とし当院受診した. 初診時には心不全症状などを認め, 白血球3000/μl, Hb 8.9g/dl, 血小板69000/μl, 骨髄は低形成で, フィブリノーゲン128mg/dl, ヘパプラスチンテスト31%などの凝固系の異常も認め, コリンエステラーゼ1.3U/ml, ICG停滞率35%と肝合成能, 排泄能の低下を認めた. F-T3 18.84pg/ml, TSH測定感度以下などから甲状腺機能亢進症と診断, Thiamazole 30mg, Propranolol 20mgから治療開始したところ, 心不全症状の改善のほか, 汎血...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 1998, Vol.113 (5), p.487-487
Hauptverfasser: 増岡秀一, 西脇嘉一, 片山俊夫, 渡邊禮次郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例:45歳, 女性. 前頸部の腫大, 顔面, 下腿の浮腫を主訴とし当院受診した. 初診時には心不全症状などを認め, 白血球3000/μl, Hb 8.9g/dl, 血小板69000/μl, 骨髄は低形成で, フィブリノーゲン128mg/dl, ヘパプラスチンテスト31%などの凝固系の異常も認め, コリンエステラーゼ1.3U/ml, ICG停滞率35%と肝合成能, 排泄能の低下を認めた. F-T3 18.84pg/ml, TSH測定感度以下などから甲状腺機能亢進症と診断, Thiamazole 30mg, Propranolol 20mgから治療開始したところ, 心不全症状の改善のほか, 汎血球減少, 凝固系の異常, 肝合成能とも改善を認めている. 考察:本誌は今までの報告にはない多彩な異常を合併しており, 甲状腺ホルモンの直接作用かは明らかではないが, 臨床経過からは甲状腺機能亢進状態が汎血球減少等の異常の原因である可能性が示唆された.
ISSN:0375-9172