24. 片側子宮が留血腫を形成し同右側の腎無形成を伴った重複子宮の1例
重複子宮の中でも一側子宮が盲端に終わり子宮留血腫を呈し, さらに同側の腎無形成を伴う症例は極めて稀で, 本邦では10数例の報告があるに過ぎない. 今回我々はこのような症例を経験したので文献的考察を加え報告する. 症例は11歳, 初経発来5カ月後に不正性器出血を主訴に来院. エストロゲン, プロゲステロン剤投与によるmedical curettageを試みたところ激しい下腹部痛が出現し, 入院となる. 超音波断層法およびMRI検査では, 完全な分離重複子宮であり, 右側の子宮腔は拡張し血液の貯留が示唆された. 内診では膣, 子宮膣部ともに単一であった. DIPでは右側の腎, 尿管が全く造影されな...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 1998, Vol.113 (5), p.482-482 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 重複子宮の中でも一側子宮が盲端に終わり子宮留血腫を呈し, さらに同側の腎無形成を伴う症例は極めて稀で, 本邦では10数例の報告があるに過ぎない. 今回我々はこのような症例を経験したので文献的考察を加え報告する. 症例は11歳, 初経発来5カ月後に不正性器出血を主訴に来院. エストロゲン, プロゲステロン剤投与によるmedical curettageを試みたところ激しい下腹部痛が出現し, 入院となる. 超音波断層法およびMRI検査では, 完全な分離重複子宮であり, 右側の子宮腔は拡張し血液の貯留が示唆された. 内診では膣, 子宮膣部ともに単一であった. DIPでは右側の腎, 尿管が全く造影されなかった. 以上より重複子宮の一側が盲角子宮であり, そのために子宮留血腫が形成され, さらに同側の腎無形成を合併したものと診断した. 本症例は膣円蓋部と右盲角子宮の下端とが近接しておらず, 経膣的な開密術は不可能と判断し, 開腹術を施行した. 右側子宮に明らかな頸管は存在せず, 子宮体部から膣にいたる部位に瘻孔を形成する目的でバルンカテーテルを約2カ月間留置した. その後はエストロゲン, プロゲステロン剤を投与し, 間欠的に消退性出血をおこし, 瘻孔の閉塞防止に努めている. このような症例においていかなる術式を選択するか苦慮するところである. |
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ISSN: | 0375-9172 |