小児におけるInterleukin-1βの測定 第1編 正常小児と臍帯血における検討

「I. 緒言」免疫生物学の急速な進歩に伴い, サイトカインと呼ばれる免疫応答調節にかかわる可溶性因子が広く知られるようになった. インターロイキン-1(IL-1)はこのうちの1つで, 腫瘍壊死因子(TNFα), IL-6などとともにとくに炎症反応に大きな影響を与えることから, 炎症性サイトカインとも呼ばれている. IL-1はおもにマクロファージ(Mφ)から産生されるが, それ以外の皮膚ケラチノサイト, 中枢神経グリア細胞などからも産生される. またその活性はT細胞の増殖・活性化や発熱, 急性期蛋白の産生誘導など数々の作用が知られているが, 生体における意義や小児の炎症性疾患における動態はいまだ...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 1998-03, Vol.113 (2), p.129-136
Hauptverfasser: 若杉宏明, 久保政勝, 立澤宰
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」免疫生物学の急速な進歩に伴い, サイトカインと呼ばれる免疫応答調節にかかわる可溶性因子が広く知られるようになった. インターロイキン-1(IL-1)はこのうちの1つで, 腫瘍壊死因子(TNFα), IL-6などとともにとくに炎症反応に大きな影響を与えることから, 炎症性サイトカインとも呼ばれている. IL-1はおもにマクロファージ(Mφ)から産生されるが, それ以外の皮膚ケラチノサイト, 中枢神経グリア細胞などからも産生される. またその活性はT細胞の増殖・活性化や発熱, 急性期蛋白の産生誘導など数々の作用が知られているが, 生体における意義や小児の炎症性疾患における動態はいまだに明らかにされていない. われわれはその意義を明確にするために正常小児のIL-1βの血清中濃度を測定した. 「II. 測定方法」測定には, MEDGENIX社製IL-1β RIAキットを用いた. 測定方法の原理は, 検体血清中のIL-1βと抗ヒトIL-1βモノクローナルウサギ血清の間で抗原抗体反応を生じさせ, これと125I標識IL-1βとの競合的結合反応を利用するものである1).
ISSN:0375-9172