5-2. 栗の摂食による口腔アレルギー症候群により発見されたラテックスアレルギーの1例

最近ラテックスアレルギーが増加している. ラテックスアレルギーは多種類の果実と交叉感作があり, その原因として医療器具による感作, 発症が重要視されつつある. 今回我々は栗アレルギーにより発見されたラテックスアレルギーの症例を経験したので報告する. 症例:29歳, 女. アトピー性皮膚炎あり. 平成7年の秋に栗を多数摂食したところ, 全身の激しい掻痒と蕁麻疹が出現. 更にショックに陥ったため, 救急搬送されたことが2回あった. 栗アレルギーの精査目的にて平成8年12月17日当科を受診した. 問診にて, 患者は平成2年に歯科事務の仕事を始め, 時々手術用のゴム手袋をはめて器具の洗浄をするようになり, 約1カ月後より手袋装着約数分後に手背に掻痒とともに浮腫性紅斑が出現するようになったことが判明. 血清IgE(RIST)630IU/ml, 特異的IgE抗体はキウイ, バナナ, 栗, マンゴー, ゴマ等多種の食物とラテックスで陽性, ラテックス手袋, 栗, バナナのプリックテスト陽性.