B-16. CYP3A4による薬物相互作用に関する臨床調査研究
目的:チトクロームP4503A4(CYP3A4)は, 多くの薬物が関与する主要な薬物代謝酵素である. 多剤併用投与が日常的となっている今日, 同酵素上で代謝阻害を起こすような薬物同士の併用率は必然的に高くなることが予想される. そこで, 文献検索により薬物相互作用を起こす危険性の高い薬剤の組み合わせを選択し, さらに実際の併用状況との照合により, より具体的に臨床上注意すべき併用例を検討した. 方法:1)ヒトにおけるCYP3A4上での薬物相互作用について文献調査を行い, 2)1996. 7. 17~30の期間に慈恵医大第三病院の内科外来を受診した患者の処方箋および内科入院中の患者の処方につき,...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 1997, Vol.112 (6), p.601-602 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:チトクロームP4503A4(CYP3A4)は, 多くの薬物が関与する主要な薬物代謝酵素である. 多剤併用投与が日常的となっている今日, 同酵素上で代謝阻害を起こすような薬物同士の併用率は必然的に高くなることが予想される. そこで, 文献検索により薬物相互作用を起こす危険性の高い薬剤の組み合わせを選択し, さらに実際の併用状況との照合により, より具体的に臨床上注意すべき併用例を検討した. 方法:1)ヒトにおけるCYP3A4上での薬物相互作用について文献調査を行い, 2)1996. 7. 17~30の期間に慈恵医大第三病院の内科外来を受診した患者の処方箋および内科入院中の患者の処方につき, CYP3A4で代謝される薬物およびその阻害剤, 誘導剤が併用投与された処方箋につき検討し, 3)併用処方のうち, ヒトで明らかに薬物相互作用が報告されている組み合わせ, または阻害剤, 誘導剤の併用により, 相互作用の起こる可能性が高いと考えられる組み合わせの処方54症例のカルテ調査を実施した. 結果:CYP3A4上での相互作用の危険性をもつ処方例は全体で9.2%であり, その処方の76%が60歳以上の患者のものであった. 併用された基質としてCa拮抗剤が最も多く58%, ついでベンゾジアゼピン誘導体48%であった. また, 血中濃度が変化し得る組み合わせ処方は併用群の約19%を占め, その対象患者は, 母集団と比較し有意に剤数が多く高齢であった(P |
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ISSN: | 0375-9172 |