10. 青戸病院における乳房温存療法

青戸病院における温存療法について適応と方法を紹介し, 温存療法例の年代別推移, 手術成績から今後の問題点を明らかにした. 温存療法の適応基準は触診径3cm以下の乳癌とした. 方法は, 乳腺部分切除, 腋窩リンパ節郭清, 残存乳房に対する放射線照射より構成されている. この適応基準と方法にしたがって1992年より現在までに47例の温存療法を行なった. 臨床病理学的特徴は早期乳癌の割合が高かったが, 温存療法実施初期には少数例であった臨床病期IIが最近2年間の温存療法例では約半数を占め, 温存療法例は適応の拡大にともなって増加している. 温存療法術後平均観察期間20カ月における再発例はなく, 整容...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 1997, Vol.112 (5), p.588-588
Hauptverfasser: 黒田徹, 柵山年和, 忠岡信彦, 一志公夫, 高村誠二, 猪又雄一, 高橋宣胖
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:青戸病院における温存療法について適応と方法を紹介し, 温存療法例の年代別推移, 手術成績から今後の問題点を明らかにした. 温存療法の適応基準は触診径3cm以下の乳癌とした. 方法は, 乳腺部分切除, 腋窩リンパ節郭清, 残存乳房に対する放射線照射より構成されている. この適応基準と方法にしたがって1992年より現在までに47例の温存療法を行なった. 臨床病理学的特徴は早期乳癌の割合が高かったが, 温存療法実施初期には少数例であった臨床病期IIが最近2年間の温存療法例では約半数を占め, 温存療法例は適応の拡大にともなって増加している. 温存療法術後平均観察期間20カ月における再発例はなく, 整容的に満足のいく結果であった. 今後も乳癌に対する温存療法は増加することが予想され, 安全な適応の拡大を図り, 乳房温存療法の普及に努力したい.
ISSN:0375-9172