4. 巨大腫瘤を形成した乳腺悪性葉状腫瘍の1例
症例は41歳女性, 右乳房腫瘤が2カ月で急速に増大し平成9年4月外科受診. 右乳房に潰瘍, 強い腐敗臭を伴う巨大腫瘤がみられ, 皮膚を破り外へ飛び出していた. CTでは右乳房全体を占居する巨大腫瘤で, 胸壁浸潤が疑われ悪性葉状腫瘍が考えられた. 穿刺吸引細胞診では, 粘液腫状間質と共に類円形細胞が出現していたが, 異型に乏しくclass II・良性葉状腫瘍と診断した. 生検組織診でも同様の所見であった. 摘出材料は重量3kg, 25cm大. 割面は充実性結節状, 黄灰白色調を呈していた. 擦過細胞診では穿刺吸引細胞診に比べ細胞異型が強く線維肉腫様形態を呈し, 組織学的にも間質細胞の一方的増殖が...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 1997, Vol.112 (5), p.586-586 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は41歳女性, 右乳房腫瘤が2カ月で急速に増大し平成9年4月外科受診. 右乳房に潰瘍, 強い腐敗臭を伴う巨大腫瘤がみられ, 皮膚を破り外へ飛び出していた. CTでは右乳房全体を占居する巨大腫瘤で, 胸壁浸潤が疑われ悪性葉状腫瘍が考えられた. 穿刺吸引細胞診では, 粘液腫状間質と共に類円形細胞が出現していたが, 異型に乏しくclass II・良性葉状腫瘍と診断した. 生検組織診でも同様の所見であった. 摘出材料は重量3kg, 25cm大. 割面は充実性結節状, 黄灰白色調を呈していた. 擦過細胞診では穿刺吸引細胞診に比べ細胞異型が強く線維肉腫様形態を呈し, 組織学的にも間質細胞の一方的増殖がみられ, 細胞異型が強く, 多数の核分裂像も認め悪性葉状腫瘍と診断した. 穿刺吸引細胞診で悪性と診断できなかったのは, 腫瘍は巨大で良・悪性の部分が混在し良性部分から採取されたためと推測された. 正確な診断を得るためには数カ所の異なった部位の穿刺が重要であると考えた. |
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ISSN: | 0375-9172 |