5-2. 全自動血液凝固線溶測定装置(STA)の基礎的検討
はじめに:近年, 止血血栓機構の解明が進むに伴い, 関係する検査項目も多様化してきた. その中で一層の迅速性が求められているが, 現状の検査システムにおいて充分な対応をすることは非常に困難な状況となっている. 今回, 新規に開発された血液凝固線溶測定装置の試用する機会があったので, 従来法との比較検討を行った. 対象ならびに測定方法:当院検査部に提出された検体を対象とした. 凝固線溶項目(TT, HPT, PT, APTT, Fib)をCA5000とSTAにて, それぞれの専用試薬を用いて測定した. 結果:1)共存物質の影響:溶血, 乳ビ, ビリルビン等の影響は認めなかった. 2)安定性:同時...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 1997, Vol.112 (2), p.343-343 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | はじめに:近年, 止血血栓機構の解明が進むに伴い, 関係する検査項目も多様化してきた. その中で一層の迅速性が求められているが, 現状の検査システムにおいて充分な対応をすることは非常に困難な状況となっている. 今回, 新規に開発された血液凝固線溶測定装置の試用する機会があったので, 従来法との比較検討を行った. 対象ならびに測定方法:当院検査部に提出された検体を対象とした. 凝固線溶項目(TT, HPT, PT, APTT, Fib)をCA5000とSTAにて, それぞれの専用試薬を用いて測定した. 結果:1)共存物質の影響:溶血, 乳ビ, ビリルビン等の影響は認めなかった. 2)安定性:同時再現性, 日差再現性は良好であった. 3)相関性:APTT値は従来法と比較して約15%高値となったが, 他4項目は良好な相関性を示した. まとめ:従来法は光学的検知器を用いるため共存物質の影響があったが, STA法は粘度変化を流動力学的に検知するため, 影響を認めなかったと推察された. また検査結果は精度がよく, かつ安定していること, バーコードシステムにてオンラインされること等から, 緊急対応が可能となり, より一層, 臨床の一助になると考えられた. |
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ISSN: | 0375-9172 |