13. 穿刺吸引細胞診(ABC)における正診率の検討-乳腺領域を中心に

細胞診領域の中で, 穿刺吸引細胞診(ABC)は, 直接腫瘤からの細胞採取が可能なことから, 病理診断に直結するため有用性が高い. 今回, 我々は, ABCが最も利用されている乳腺領域における正診率を組織診で確認されている例を対照として過去4年間(平成4年から平成8年7月31日まで)についてまとめた. そしてさらに不一致例についてretrospectiveに原因を追跡し今後の検討課題とした. 症例総数は175件で, その中で組織診との不一致例は13件であった. その内訳は誤陽性(false positive)1件, 誤陰性(false negative)7件, 判定保留(class III)とし...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 1997, Vol.112 (2), p.331-331
Hauptverfasser: 木村絵里子, 梅澤敬, 戸田敏久, 竹内行浩, 新崎勤子, 遠藤泰彦, 千葉論, 酒田昭彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:細胞診領域の中で, 穿刺吸引細胞診(ABC)は, 直接腫瘤からの細胞採取が可能なことから, 病理診断に直結するため有用性が高い. 今回, 我々は, ABCが最も利用されている乳腺領域における正診率を組織診で確認されている例を対照として過去4年間(平成4年から平成8年7月31日まで)についてまとめた. そしてさらに不一致例についてretrospectiveに原因を追跡し今後の検討課題とした. 症例総数は175件で, その中で組織診との不一致例は13件であった. その内訳は誤陽性(false positive)1件, 誤陰性(false negative)7件, 判定保留(class III)とした症例5件であった. なお, 誤陽性例は組織では硬化性腺症, 誤陰性例中6件は良性の細胞のみで, 1例は細胞が全く採取されていなかった. 判定保留とした中で1例は悪性で, 5例は良性であった. また不一致例の多くは, 組織診を反映する細胞が採れていなかった. 今後はますます臨床とのコンタクトを十分に行う中で究極の正診率を目標に, サンプリング, 検体処理, 染色, スクリーニングについての日々の努力を重ねて行きたい.
ISSN:0375-9172