ウサギ(家兎)における蝶形骨を中心とした頭蓋底の正常発育に関する硬組織学的研究

「I. 緒言」頭蓋底は, 前頭骨, 篩骨, 蝶形骨, 側頭骨, 後頭骨より構成され頭蓋と顔面の境界をなしている. Hellman1)のdifferential growthの概念によれば, 頭蓋・顔面複合体の各部の成長速度にはそれぞれ差が認められ, 頭蓋は6-7歳時には最終的な大きさの90%以上となる. しかし, 顔面ではまだ50%以上の成長部分を残している. さらに身体各部の器官の成長の割合も様々に異なり, 頭蓋は神経型の成長・発育を示すといわれている. 顔面骨の発育に関する研究は, Brodie2)3), Enlow4)5), Sarnat6)-8)をはじめとする多くの研究者によってなされ...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 1997-01, Vol.112 (1), p.171-187
1. Verfasser: 二ノ宮邦稔
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」頭蓋底は, 前頭骨, 篩骨, 蝶形骨, 側頭骨, 後頭骨より構成され頭蓋と顔面の境界をなしている. Hellman1)のdifferential growthの概念によれば, 頭蓋・顔面複合体の各部の成長速度にはそれぞれ差が認められ, 頭蓋は6-7歳時には最終的な大きさの90%以上となる. しかし, 顔面ではまだ50%以上の成長部分を残している. さらに身体各部の器官の成長の割合も様々に異なり, 頭蓋は神経型の成長・発育を示すといわれている. 顔面骨の発育に関する研究は, Brodie2)3), Enlow4)5), Sarnat6)-8)をはじめとする多くの研究者によってなされてきた. なかでも縫合部に関しては, 古くからその顔面骨発育に関する機能が注目され, さまざまな実験的研究が行われてきた. しかし, 頭蓋底に関する研究は, ラット頭蓋底の成長に関するアリザリンレッドSによる生体染色を用いたVilmann9), Hoyte10)の報告や頭部X線規格写真によるBjork11)12), Ford13), SmithVis14)などの報告をみるのみであり, きわめて少ない.
ISSN:0375-9172