ストローマ細胞(C3H10T1/2)分化誘導系における細胞表面分子の発現変動に関する研究

「I. 緒言」骨髄における造血細胞の増殖, 分化は骨髄の微小環境を構成しているストローマ細胞に依存しており, 造血細胞とストローマ細胞との細胞接着が造血支持に重要な役割の一つを演じていると考えられている1)-4). 近年ストローマ細胞上に発現する接着分子として, vascular cell adhesion molecule-1 (VCAM-1), intercellular adhesion molecule-1(ICAM-1)が5)-9), 細胞外基質(extracellular matrix:ECM)としてフィブロネクチン, ヘパラン硫酸などが同定され注目されている10)-14). また...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 1996-11, Vol.111 (6), p.895-908
Hauptverfasser: 西脇嘉一, 酒井紀
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」骨髄における造血細胞の増殖, 分化は骨髄の微小環境を構成しているストローマ細胞に依存しており, 造血細胞とストローマ細胞との細胞接着が造血支持に重要な役割の一つを演じていると考えられている1)-4). 近年ストローマ細胞上に発現する接着分子として, vascular cell adhesion molecule-1 (VCAM-1), intercellular adhesion molecule-1(ICAM-1)が5)-9), 細胞外基質(extracellular matrix:ECM)としてフィブロネクチン, ヘパラン硫酸などが同定され注目されている10)-14). また造血幹細胞/前駆細胞の分化マーカーであるCD34分子は一方で血管内皮細胞や骨髄ストローマ細胞にも発現していると報告されており15)-17), その役割に興味がもたれる. 造血細胞のCD34分子は接着分子として機能している可能性が考えられ, CD34が顆粒球系造血細胞への分化を妨げるとの報告もある18). しかし, 最近のCD34ノックアウトマウスの作成による検討では, 大きな造血異常は示されておらず19)20), その役割は明らかではない. また造血微小環境におけるCD34の役割も同様に明らかにされていない.
ISSN:0375-9172