5. もう一人の自分を働かせその時々を精一杯, 一緒に歩く
看護の目標は「生命力の消耗を最小限にし生活過程を整えることである」たとえそれが死を間近にした状態でもその時々の生活過程を整えることに, 看護の質が問われている. T氏. 46歳. 女性. 平成5年10月に右乳癌を手術し, 5カ月後に再発. 平成6年3月に自家造血幹細胞移植を目的に内科へ転化した事例. 骨髄移植は成功したが, 1年後, 全身に転移し日に日に状態が悪化. 時々意味不明な言葉を言って看護婦が対応に困っていた. ある日, T氏が看護婦に悲愴な表情で, 『ジューキをしたくないので氷水で47回顔を拭いて欲しい』と突然訴えられ, 一瞬看護婦は対応に戸惑うが, もう一人の自分を作り出し, T氏...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 1996, Vol.111 (5), p.757-757 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 看護の目標は「生命力の消耗を最小限にし生活過程を整えることである」たとえそれが死を間近にした状態でもその時々の生活過程を整えることに, 看護の質が問われている. T氏. 46歳. 女性. 平成5年10月に右乳癌を手術し, 5カ月後に再発. 平成6年3月に自家造血幹細胞移植を目的に内科へ転化した事例. 骨髄移植は成功したが, 1年後, 全身に転移し日に日に状態が悪化. 時々意味不明な言葉を言って看護婦が対応に困っていた. ある日, T氏が看護婦に悲愴な表情で, 『ジューキをしたくないので氷水で47回顔を拭いて欲しい』と突然訴えられ, 一瞬看護婦は対応に戸惑うが, もう一人の自分を作り出し, T氏の頭の中へ飛びこみT氏を安定することができた. 看護の評価は対象の変化である. T氏の反応を異常な反応としてあきらめず, T氏の対象特性をとらえ, その人の一瞬, 一瞬の反応に立場の変換を繰り返して行った場面をプロセスレコードへ再構成した. ここに対象が見事に変化したので報告する. |
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ISSN: | 0375-9172 |