1. 急性硬膜下血腫で発症した硬膜動静脈奇形の1例

硬膜動静脈奇形の破裂が原因と考えられる, 稀な急性硬膜下血腫の1例を経験した. 症例は, 25歳男性. 仕事中に, 頭痛と嘔吐を認め, 救急車にて当院搬送中, 急激に意識レベルの低下を認めた. 11歳時に, 右慢性硬膜下血腫に対する穿頭血腫除去術を受けているが, 頭部外傷の既往は一切ない. 頭部CT上, 左急性硬膜下血腫を認めたので, 緊急で, 小開頭による血腫除去術を施行した. 術中, 硬膜上に拡張した異常血管の一部を認めた. 術後の脳血管撮影にて, 左右円蓋部の硬膜動静脈奇形を認めた. 術後経過は良好で, 約2カ月後に, 硬膜動静脈奇形に対する塞栓術を予定したが, 術前の脳血管撮影にて両側...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 1996, Vol.111 (5), p.755-755
Hauptverfasser: 佐口隆之, 沼本知彦, 阿部聰, 安江正治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:硬膜動静脈奇形の破裂が原因と考えられる, 稀な急性硬膜下血腫の1例を経験した. 症例は, 25歳男性. 仕事中に, 頭痛と嘔吐を認め, 救急車にて当院搬送中, 急激に意識レベルの低下を認めた. 11歳時に, 右慢性硬膜下血腫に対する穿頭血腫除去術を受けているが, 頭部外傷の既往は一切ない. 頭部CT上, 左急性硬膜下血腫を認めたので, 緊急で, 小開頭による血腫除去術を施行した. 術中, 硬膜上に拡張した異常血管の一部を認めた. 術後の脳血管撮影にて, 左右円蓋部の硬膜動静脈奇形を認めた. 術後経過は良好で, 約2カ月後に, 硬膜動静脈奇形に対する塞栓術を予定したが, 術前の脳血管撮影にて両側硬膜動静脈奇形の自然消失を認めた. 患者は, 入院後2カ月半で, 独歩退院した. 硬膜動静脈奇形が破裂して急性硬膜下血腫をきたした例は, きわめて稀であるので, 文献的考察をし, 報告した.
ISSN:0375-9172