3-3. 同種骨髄移植における無菌食改良の試みレトルト食品とレンジ炊飯の導入

目的:同種骨髄移植を受ける患者は感染予防のため無菌室での生活を強いられる. この特殊な環境の中で食事は希少な楽しみの1つであるが, 多くの場合前処置に伴う口内炎や嘔気等のために食事摂取が困難になる. また, 従来の無菌食は決して美味しい食事とは言い難く, 摂取困難の原因の1つとなっている. そこで無菌食にレトルト食品とレンジ炊飯を導入し, 無菌食の改良を試みた. 方法:缶詰やレトルト食品を主体に1週間のメニューを作成し, カロリーとコストを計算した. ご飯は専用容器を用い, 電子レンジで炊飯した. 同種骨髄移植の患者2例に以上の方法で無菌食を提供し, すべての食事に対して菌検査を行った. 結果...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 1996, Vol.111 (4), p.559-559
Hauptverfasser: 春日葉子, 関田徹, 西脇嘉一, 片山俊夫, 斎藤篤, 渡邊禮次郎, 永井高史, 小林正之, 石井和巳, 矢野得郎, 柳井一男, 湊智美, 梶谷貴子, 篠原裕子, 有賀庸代
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:同種骨髄移植を受ける患者は感染予防のため無菌室での生活を強いられる. この特殊な環境の中で食事は希少な楽しみの1つであるが, 多くの場合前処置に伴う口内炎や嘔気等のために食事摂取が困難になる. また, 従来の無菌食は決して美味しい食事とは言い難く, 摂取困難の原因の1つとなっている. そこで無菌食にレトルト食品とレンジ炊飯を導入し, 無菌食の改良を試みた. 方法:缶詰やレトルト食品を主体に1週間のメニューを作成し, カロリーとコストを計算した. ご飯は専用容器を用い, 電子レンジで炊飯した. 同種骨髄移植の患者2例に以上の方法で無菌食を提供し, すべての食事に対して菌検査を行った. 結果:無菌食1日当りの栄養価は平均1,675Kcal, コストは平均1,440円となり, 使用した食品の菌検査はすべて陰性であった. 平均摂取カロリーは症例1で273Kcal, 症例2で340Kcalであった. 症例2はレンジ食の摂取は困難であったが, 改良された無菌食は摂取可能であった. 提供した無菌食は2例とも美味しかったとの感想が聞かれた. 結語:無菌食の改良により美味しい食事を提供することができた. また, コストの問題はあるがレトルト食品は再利用が可能であり, 栄養部の負担も省けた. 今後はさらにレトルト食品の種類を増やして患者の嗜好や状態の変化に対応した献立を作成し, 多数例に対して検討していきたい.
ISSN:0375-9172