2-5. 白内障手術における眼内レンズ非挿入例の検討
白内障手術における眼内レンズ挿入術は年々その適応が拡大してきている. 以前はぶどう膜炎, コントロール不能な緑内障, 増殖期の糖尿病網膜症, 先天白内障, 強度近視, 重度の網膜・硝子体疾患, 重度の術中合併症, 外傷, もしくは患者が希望しないなどの場合は眼内レンズ挿入術の禁忌とされてきた. しかし, 眼内レンズの材質, 処理の進歩やそれに伴う眼内レンズの信頼性の向上, PEA技術の進歩, Quality of life(vision)の考慮などにより, 禁忌とされて来た症例にも眼内レンズを挿入する場合が増加してきている. 今回われわれは過去3年間の白内障手術における眼内レンズ非挿入例を検討...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 1996, Vol.111 (4), p.542-542 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 白内障手術における眼内レンズ挿入術は年々その適応が拡大してきている. 以前はぶどう膜炎, コントロール不能な緑内障, 増殖期の糖尿病網膜症, 先天白内障, 強度近視, 重度の網膜・硝子体疾患, 重度の術中合併症, 外傷, もしくは患者が希望しないなどの場合は眼内レンズ挿入術の禁忌とされてきた. しかし, 眼内レンズの材質, 処理の進歩やそれに伴う眼内レンズの信頼性の向上, PEA技術の進歩, Quality of life(vision)の考慮などにより, 禁忌とされて来た症例にも眼内レンズを挿入する場合が増加してきている. 今回われわれは過去3年間の白内障手術における眼内レンズ非挿入例を検討し, 現在の眼内レンズ挿入術の適応についての考察を行った. 白内障手術症例で眼内レンズを挿入しなかった割合は, 1992年は2.8%, 1993年は2.5%, 1994年では1.7%となっており, 減少傾向にある. 個々の症例を検討した結果, ’92年, ’93年では眼内レンズ非挿入の理由として強度近視やぶどう膜炎, 糖尿病網膜症などの症例が認められるが’94年では外傷, 水晶体脱臼, 視力向上が望めない白内障の3つの理由のみとなった. この適応の拡大は主に表面処理境内レンズをはじめとする眼内レンズの質の向上, 白内障手術におけるPEA手術の安全性の向上によってもたらされたものと考察した. |
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ISSN: | 0375-9172 |