5. 当科における乳房温存療法

最近乳癌手術術式は, 早期乳癌に対して乳房温存療法が行われるようになってきた. 1992年から1995年にかけて21例の乳房温存療法を行った. 病理組織学的に再検討したところ33%に切除断端陽性を認めた. 乳管内進展(EIC)によるもの2例, EICと間質浸潤によるもの1例, 術前切除範囲設定が不十分なもの2例であった. 乳頭側断端陽性例が多かった. 組織学的に乳頭腺管癌, 硬癌に多い傾向があった. EICは術前評価が困難であり術後の詳細な病理組織学的検索が必要である. 乳房温存療法においては手術手技, 切除断端陽性の場合の対処の方法など議論の余地があり, 適切な症例選択と厳重な経過観察が必要...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 1996, Vol.111 (2), p.259-259
Hauptverfasser: 水谷央, 高橋宣胖, 黒田徹, 柵山年和, 忠岡信彦, 大西健夫, 一志公夫, 石川隆志, 高村誠二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:最近乳癌手術術式は, 早期乳癌に対して乳房温存療法が行われるようになってきた. 1992年から1995年にかけて21例の乳房温存療法を行った. 病理組織学的に再検討したところ33%に切除断端陽性を認めた. 乳管内進展(EIC)によるもの2例, EICと間質浸潤によるもの1例, 術前切除範囲設定が不十分なもの2例であった. 乳頭側断端陽性例が多かった. 組織学的に乳頭腺管癌, 硬癌に多い傾向があった. EICは術前評価が困難であり術後の詳細な病理組織学的検索が必要である. 乳房温存療法においては手術手技, 切除断端陽性の場合の対処の方法など議論の余地があり, 適切な症例選択と厳重な経過観察が必要である.
ISSN:0375-9172