B-42. 近年における小児期発症IDDMの予後の著明な改善

目的:私達は, 日本におけるIDDMの予後が, 欧米に比べて著しく不良であることを明らかにした. 本研究では, 日本のIDDM症例を取りまく医療および社会環境が近年整備されたことにより, その予後が改善しているかどうかについて検討した. 方法:1965年から79年に日本全国で診断された18歳未満発症IDDM1428例中, 1965年から69年に診断された286例(60年代診断群)と, 1975年から79年に診断された753例(70年代診断群)の計1039例を対象とした. 60年代診断群を1980年1月1日の時点まで, 70年代診断群を1990年1月1日の時点まで追跡し, 人年法を用いて両者の死...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 1995, Vol.110 (6), p.898-899
Hauptverfasser: 西村理明, 松島雅人, 丸山道彦, 清水佳苗, 田嶼尚子, 酒井紀, 縣俊彦, 清水英佑, DERI研究班
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:私達は, 日本におけるIDDMの予後が, 欧米に比べて著しく不良であることを明らかにした. 本研究では, 日本のIDDM症例を取りまく医療および社会環境が近年整備されたことにより, その予後が改善しているかどうかについて検討した. 方法:1965年から79年に日本全国で診断された18歳未満発症IDDM1428例中, 1965年から69年に診断された286例(60年代診断群)と, 1975年から79年に診断された753例(70年代診断群)の計1039例を対象とした. 60年代診断群を1980年1月1日の時点まで, 70年代診断群を1990年1月1日の時点まで追跡し, 人年法を用いて両者の死亡率および標準化死亡比(SMR)を求めた. さらに死因別に予後を比較し, 両者の間に有意な差が見られるか否か検討した. 結果:対象とした1039例の99%にあたる1029例の生存状況を確認することができた. 観察期間中に60年代診断群では22例の死亡を, 70年代診断群では14例の死亡を認めた. 60年代診断群の年齢調整死亡率は754(対10万人年), 70年代診断群の年齢調整死亡率は196(対10万人年), SMRはそれぞれ14.3および4.9と, 60年代診断群に比して70年代診断群では予後が著明に改善していた(p
ISSN:0375-9172