B-6. H. pylori感染および除菌療法の効果判定におけるウレアブレステストの有用性について

目的:ウレアブレステストはH. pyloriを検出する方法で, 苦痛を伴わないで繰り返し検査ができる. 我々はH. pylori感染および除菌療法の効果判定のためにウレアブレステストに注目し, 内視鏡下で生検した組織片を用いたCLOテスト, 鏡検法と比較検討したので報告する. 方法:内視鏡検査で診断された胃潰瘍, 十二指腸潰瘍例について, 下山らの方法に従い150mgの13C尿素を滅菌蒸留水10mlで溶かしたものを早朝空腹時に被験者に経口投与し, 5, 10, 15, 20, 30分後の呼気を採取して質量分析計を計測した. 一方, 内視鏡下で胃体中部大弯, 幽門部大弯よりそれぞれ2個ずつ生検し...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 1995, Vol.110 (6), p.877-878
Hauptverfasser: 生方博子, 鳥居明, 中林知子, 根岸道子, 加藤慎一, 和泉元喜, 宮川佳也, 江藤哲哉, 木村信明, 木村薫, 須藤訓, 有泉雅博, 戸田剛太郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:ウレアブレステストはH. pyloriを検出する方法で, 苦痛を伴わないで繰り返し検査ができる. 我々はH. pylori感染および除菌療法の効果判定のためにウレアブレステストに注目し, 内視鏡下で生検した組織片を用いたCLOテスト, 鏡検法と比較検討したので報告する. 方法:内視鏡検査で診断された胃潰瘍, 十二指腸潰瘍例について, 下山らの方法に従い150mgの13C尿素を滅菌蒸留水10mlで溶かしたものを早朝空腹時に被験者に経口投与し, 5, 10, 15, 20, 30分後の呼気を採取して質量分析計を計測した. 一方, 内視鏡下で胃体中部大弯, 幽門部大弯よりそれぞれ2個ずつ生検し, 1個はCLOテストに, 1個は鏡検法に供した. 病理組織標本の作成はカルノア固定を行い表層粘液の固定を行っていた. また上記の方法でH. pylori陽性と診断された例は除菌療法としてLansoprazol 30mg, Ecabet Sodium 3.0gをそれぞれ6あるいは8週間, Levofloxacin 300mgを2週間投与し投与期間終了後に同様の方法でH. pylori検出を行った. 結果:13C尿素服用後経時的に呼気ガスを採取して計測した結果, H. pylori陽性者と陰性者の判別は, 服用10分後の値が50パーミルδ13C以上を陽性と判定することで診断が可能であった. ウレアブレステストはCLOテスト, 鏡検法とよく相関し感度, 特異度ともすぐれていた. 考察:ウレアブレステストは非侵襲的で簡便あり, 胃全体の感染の有無の評価が可能といえる. また各時点の感染の有無の評価もでき, H. pylori感染を診断するだけでなく除菌療法の効果判定にも有用であった.
ISSN:0375-9172