16. 巨細胞の出現の目立った特発性急性心筋炎の1剖検例
症例は特発性血小板減少紫斑病にて約2年間のステロイド治療を受けていた57歳の女性で, 経過中感冒様症状が出現し呼吸困難のため緊急入院した. 入院後心筋炎が強く示唆され加療されたが三枝ブロックを合併して心停止し死亡した. 剖検にて特発性急性心筋炎と病理診断された. 本症例における心筋炎の拡がり方と, 関与した炎症性細胞, とくに巨細胞の性格について免疫組織化学的・電顕的検索を加えて検討した. その結果, 心筋炎は心筋層内層より発症し全層におよぶ進展様式が示唆された. 炎症性細胞としてはリンパ球(T細胞主体), 組織球, 多核巨細胞, 形質細胞, 好酸球, 好中球と多彩な浸潤を示した. 電顕上,...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 1995, Vol.110 (5), p.864-864 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 症例は特発性血小板減少紫斑病にて約2年間のステロイド治療を受けていた57歳の女性で, 経過中感冒様症状が出現し呼吸困難のため緊急入院した. 入院後心筋炎が強く示唆され加療されたが三枝ブロックを合併して心停止し死亡した. 剖検にて特発性急性心筋炎と病理診断された. 本症例における心筋炎の拡がり方と, 関与した炎症性細胞, とくに巨細胞の性格について免疫組織化学的・電顕的検索を加えて検討した. その結果, 心筋炎は心筋層内層より発症し全層におよぶ進展様式が示唆された. 炎症性細胞としてはリンパ球(T細胞主体), 組織球, 多核巨細胞, 形質細胞, 好酸球, 好中球と多彩な浸潤を示した. 電顕上, 崩壊した心筋線維周囲ではリンパ球, 組織球の浸潤がより強かった. 多核巨細胞は心筋層内層で目立ち, 免疫組織化学的にCD68(PG-M1, KP1)陽性で単球, マクロファージ由来が示唆された. |
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ISSN: | 0375-9172 |