4-4. 落雷による角膜深層欠陥新生を伴った角膜障害の1例
電撃による眼合併症として, 角膜混濁, 虹彩毛様体炎, 眼筋麻痺, 白内障, 網脈絡膜萎縮などが知られているが, 落雷による眼障害の報告はまれである. 今回我々は, 登山中に被証し, 角膜混濁, 角膜深層血管新生, 虹彩毛様体炎, 黄斑浮腫, 白内障を認めた症例を経験した. 症例は54歳女性. 登山中に被雷し, 救急処置を近医で受けた後, 1カ月後に当科を受診した. 被雷前には眼疾患の既往はないが, 当科初診時にすでに著明な角膜深層血管新生を両眼に認めた. 保存的治療により虹彩毛様体炎, 黄斑浮腫は改善を認めた. その後, 受傷12カ月頃より左水晶体後嚢下に混濁を認めるようになり, 超音波乳化...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 1995, Vol.110 (2), p.321-321 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 電撃による眼合併症として, 角膜混濁, 虹彩毛様体炎, 眼筋麻痺, 白内障, 網脈絡膜萎縮などが知られているが, 落雷による眼障害の報告はまれである. 今回我々は, 登山中に被証し, 角膜混濁, 角膜深層血管新生, 虹彩毛様体炎, 黄斑浮腫, 白内障を認めた症例を経験した. 症例は54歳女性. 登山中に被雷し, 救急処置を近医で受けた後, 1カ月後に当科を受診した. 被雷前には眼疾患の既往はないが, 当科初診時にすでに著明な角膜深層血管新生を両眼に認めた. 保存的治療により虹彩毛様体炎, 黄斑浮腫は改善を認めた. その後, 受傷12カ月頃より左水晶体後嚢下に混濁を認めるようになり, 超音波乳化吸引術および眼内レンズ挿入術を施行した. 右眼にも同様の混濁を認めている. 角膜深層血管新生は受傷約2年を経過しても改善を認めず, ghost vesselとなって角膜全域に広く分布している. 被雷前には眼疾患の既往がないことや, 角膜に感染所見が認められないことなどから, 本症例に認められた角膜深層血管新生は雷撃が誘因となり生じたと推測され, 今後も注意深い経過観察が必要と考えられた. |
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ISSN: | 0375-9172 |