黄色ブドウ球菌プロテインAを利用した血球凝集反応の感度増強に関する研究

「I. 緒言」最近, 一部の連鎖球菌とブドウ球菌が産生する免疫グロブリンのFc部分に親和性をもつ特異なタンパクの存在が知られるようになったが, プロテインAもそのひとつである. このタンパクは黄色ブドウ球菌の細胞壁にペプチドグリカンと共有結合した形で存在し, 表皮ブドウ球菌から区別するための黄色ブドウ球菌に特異的なタンパク抗原であるとしてVerwey1)によって初めて記載された. プロテインAは黄色ブドウ球菌によって産生される種々の特色あるタンパクの中でもひときわ独特な活性を有するが, Jensen2)およびForsgrenとSjoquist3)によりその研究が進められ, 多くの哺乳動物の免疫...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 1995-03, Vol.110 (2), p.215-221
Hauptverfasser: 武藤光明, 室田景久
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」最近, 一部の連鎖球菌とブドウ球菌が産生する免疫グロブリンのFc部分に親和性をもつ特異なタンパクの存在が知られるようになったが, プロテインAもそのひとつである. このタンパクは黄色ブドウ球菌の細胞壁にペプチドグリカンと共有結合した形で存在し, 表皮ブドウ球菌から区別するための黄色ブドウ球菌に特異的なタンパク抗原であるとしてVerwey1)によって初めて記載された. プロテインAは黄色ブドウ球菌によって産生される種々の特色あるタンパクの中でもひときわ独特な活性を有するが, Jensen2)およびForsgrenとSjoquist3)によりその研究が進められ, 多くの哺乳動物の免疫グロブリンIgGのFc部分, およびBリンパ球表面と特異的に結合するという生物活性をもつことが示された. 特にヒト, ウサギ, イヌ, ブタのIgGのFc部分に高い親和性を有するところから, プロテインAはこれまでに様々な免疫学的および生化学的研究に用いられている.
ISSN:0375-9172