ラット骨格筋の糖代謝およびインスリン感受性に対する脂質の影響に関する研究
「I. はじめに」 動脈硬化の成因として糖代謝異常が大きな役割を占めていることをMorrishらは疫学的研究によって明らかにした1). 近年その基盤として組織のインスリン抵抗性が重要な意義を持つ可能性が示唆されている2). すなわちReavenらは末梢組織のインスリン抵抗性, 糖代謝異常, 高インスリン血症, 高VLDL-トリグリセリド血症, 高血圧症を併せもつ病態を提唱し, syndrome Xと命名した3). またKaplanらはインスリン抵抗性を上体肥満と関係づけ, 上体肥満, 耐糖能異常, 高トリグリセリド血症, 高血圧の4因子をもつものをdeadly quartet(死の四重奏)と呼...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 1994-07, Vol.109 (4), p.769-776 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. はじめに」 動脈硬化の成因として糖代謝異常が大きな役割を占めていることをMorrishらは疫学的研究によって明らかにした1). 近年その基盤として組織のインスリン抵抗性が重要な意義を持つ可能性が示唆されている2). すなわちReavenらは末梢組織のインスリン抵抗性, 糖代謝異常, 高インスリン血症, 高VLDL-トリグリセリド血症, 高血圧症を併せもつ病態を提唱し, syndrome Xと命名した3). またKaplanらはインスリン抵抗性を上体肥満と関係づけ, 上体肥満, 耐糖能異常, 高トリグリセリド血症, 高血圧の4因子をもつものをdeadly quartet(死の四重奏)と呼び, このような症例は心臓血管障害のリスクが大きいことを示唆した4). DeFronzoらもインスリン抵抗性症候群[肥満, インスリン非依存性糖尿病(以下NIDDMと略す), 高血圧, 動脈硬化性心疾患, 脂質代謝異常, 高インスリン血症]という考え方を示しそれぞれ関連性を示している5). |
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ISSN: | 0375-9172 |