磁気刺激による中枢および末梢運動神経機能検査法-健常者および各種神経疾患患者での検討

【はじめに】 1980年, Mertonら1)は頭皮上に電極を置き, 大脳皮質運動野を電気的に刺激し, 上下肢で誘発筋電図を記録した. その後, 1985年, Barkerら2)は磁気刺激によって誘発筋電図を記録する方法を報告した. 本法は電気刺激に比較して疼痛がほとんどなく, 刺激電極を装着する煩わしさがない等の点で臨床的に有用であるとされている. これまで多発性硬化症や運動ニューロン疾患などに関する報告3)がなされている. しかし, まだ健常者に関する検討および疾患に関する検討も十分とは言い難い状況である. 今回, 我々は健常者および各種神経疾患患者について比較検討した. 【対象および方法...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 1992-09, Vol.107 (5), p.765-770
Hauptverfasser: 持尾聰一郎, 岡尚省, 栗田正, 蓮沼武雄, 佐藤健一, 渡辺小百合, 磯貝行秀
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【はじめに】 1980年, Mertonら1)は頭皮上に電極を置き, 大脳皮質運動野を電気的に刺激し, 上下肢で誘発筋電図を記録した. その後, 1985年, Barkerら2)は磁気刺激によって誘発筋電図を記録する方法を報告した. 本法は電気刺激に比較して疼痛がほとんどなく, 刺激電極を装着する煩わしさがない等の点で臨床的に有用であるとされている. これまで多発性硬化症や運動ニューロン疾患などに関する報告3)がなされている. しかし, まだ健常者に関する検討および疾患に関する検討も十分とは言い難い状況である. 今回, 我々は健常者および各種神経疾患患者について比較検討した. 【対象および方法】 健常者は26名で23歳から72歳(平均年齢42.7歳)であった. 神経疾患患者は脳血管障害5名(平均年齢61.6歳で, いずれも脳梗塞例), 多発性硬化症3名(平均年齢34.7歳で2名は大脳白質に, 1名は脊髄にそれぞれ主病変を持った症例), HAM 1名(HTLV-I associated myelopathy, 53歳), 糖尿病性神経障害8名(平均年齢56.5歳)である.
ISSN:0375-9172