心電図・呼吸波形同時スペクトル解析法を用いた呼吸性心拍変動解析に関する基礎的検討
「はじめに」近年, 新たな自律神経機能検査法として心拍変動パワースペクトル解析法が開発されその臨床応用が期待されている. 心拍変動パワースペクトル解析法は高速フーリエ解析(FFT)を用い心電図RR間隔変動(以下RR変動)を詳細に分析する解析法で, 本法を用いることにより副交感神経緊張をよく反映するとされる呼吸性変動成分のみを分離して解析することが可能である1). しかし, 従来の解析法では呼吸周期が含まれると考えられる帯域を予め便宜的に設定し, その帯域内に含まれる心拍変動成分をすべて解析する方法をとっており, 呼吸周期の個人差, 帯域内不要信号混入などにより解析結果に誤差が生じる場合があると...
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Veröffentlicht in: | 東京慈恵会医科大学雑誌 1992-03, Vol.107 (2), p.275-283 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」近年, 新たな自律神経機能検査法として心拍変動パワースペクトル解析法が開発されその臨床応用が期待されている. 心拍変動パワースペクトル解析法は高速フーリエ解析(FFT)を用い心電図RR間隔変動(以下RR変動)を詳細に分析する解析法で, 本法を用いることにより副交感神経緊張をよく反映するとされる呼吸性変動成分のみを分離して解析することが可能である1). しかし, 従来の解析法では呼吸周期が含まれると考えられる帯域を予め便宜的に設定し, その帯域内に含まれる心拍変動成分をすべて解析する方法をとっており, 呼吸周期の個人差, 帯域内不要信号混入などにより解析結果に誤差が生じる場合があると考えられる. 著者は臨床例を対象に心電図および呼吸波形を同時に記録することによって, 各症例における呼吸周期および呼吸性変動成分を測定し, 従来法における問題点について検討した. さらに従来法にかわり各症例について呼吸周期に応じた帯域を設定しその帯域内の成分を呼吸性変動成分とする新たな呼吸性変動成分解析法(心電図・呼吸波形同時スペクトル解析法)を考案, 臨床応用に際しての基本的検討を行った. |
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ISSN: | 0375-9172 |