Symbrachydactylyを中心とした手先天奇形の鑑別と診断

「I. 緒言」骨原基の障害を中心として発生する手奇形であるsymbrachydactyly(合短指症)は, その診断基準がまだ確定されておらず, 発育障害を示す他奇形との鑑別についても論議がくりかえされている. symbrachydactylyの臨床像を把握するためには, 手奇形全体の中でどの位置に分類されるべきかが重要であり, それによって鑑別点も変化する. symbrachydactylyの概念は, 1841年のPolandが報告した大胸筋欠損と同側手の合指症, 中節骨短縮および中節骨欠損を合併するものである1). その後, 同様の症例報告がつづいたが, 1937年Mullerはsymbr...

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Veröffentlicht in:東京慈恵会医科大学雑誌 1988, Vol.103 (1), p.91-109
Hauptverfasser: 平川正彦, 丸毛英二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 緒言」骨原基の障害を中心として発生する手奇形であるsymbrachydactyly(合短指症)は, その診断基準がまだ確定されておらず, 発育障害を示す他奇形との鑑別についても論議がくりかえされている. symbrachydactylyの臨床像を把握するためには, 手奇形全体の中でどの位置に分類されるべきかが重要であり, それによって鑑別点も変化する. symbrachydactylyの概念は, 1841年のPolandが報告した大胸筋欠損と同側手の合指症, 中節骨短縮および中節骨欠損を合併するものである1). その後, 同様の症例報告がつづいたが, 1937年Mullerはsymbrachydactylyが骨原基の一次的分化障害と二次的な軟部組織原基の障害によるものだとしていくつかの表現型を示した2). そのなかには, 典型的な骨変化と合指を合併したものだけでなく, いわゆる非定型裂手からperomelyにいたるまでの障害度の異なるものが含まれている.
ISSN:0375-9172